ラリーで大暴れをした三菱ランサー
ラリー界の様子は、自ら参戦していないので詳しくはないが、三菱ランサーの活躍が印象深い。初代では、海外のサザンクロスラリー(オーストラリア)、サファリラリー(アフリカ・ケニア)での優勝が華々しく伝えられ、三菱自動車の性能の高さを強く印象付けた。
初代のランサーは、やや丸みのある愛嬌のある外観で、その特徴はB110サニーと同様に車体の軽さにあったと思う。高性能車のGSRにはOHC(オーバー・ヘッド・カムシャフト)エンジンが搭載されていたが、やはり軽い車体が操縦性の高さを発揮し、強みを出させたのではないだろうか。
2代目のランサーで、ターボエンジン車が登場する。「ランタボ」の愛称で親しまれたクルマだ。初代から一転して角張った箱型の外観は、それでも簡素な造形で格好よかった。世界ラリー選手権の1000湖ラリーに出場している。
個人的には、ラリー仕様に改造された車両に丸和のダートコースで運転したことがある。トヨタスターレットのKP61で全日本ダートトライアルチャンピオンとなった国政久郎氏を助手席に乗せて運転し、緊張のあまり立ち木にクラッシュしたのは懐かしい思い出だ。グリップの高いサーキットでのレースと異なり、低ミュー路でのいっそう繊細な運転操作の必要性を痛感した。それでも、レースで経験した運転操作そのものは間違いないと国政氏になぐさめてもらい、その後の励みになった。