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サーキット走行でブレーキが利かなくなる「恐怖」の現象「フェード」! 意外と知らない「理由」と「対策」とは

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

ブレーキシステムが高温になり制動力が低下

 主にサーキットでの連続走行などでブレーキを酷使すると、制動力が低下して、ブレーキペダルを踏んでもなかなか減速しなくなる。これをフェード現象という。このフェード現象はなぜ起きるのか?

 ブレーキシステムというのは、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減速する仕組みなので、ブレーキを多用するとローターやブレーキパッドが高温になってくる。ブレーキパッドの主要部分である摩擦材は、フェノール樹脂などの結合材、アラミド繊維や金属繊維などの補強材、黒鉛やカシューダストなどの摩擦調整剤など、10~20種類の原材料を配合して圧縮し、熱を加えて樹脂を硬化させて作られたもの。この摩擦材に含まれる樹脂類がある一定の温度を越えると気化し始め、パッドとローターの間にガス層を作り、摩擦係数を極端に低下させる。ルノー メガーヌ R.S.トロフィーのブレーキシステム

 フェード現象とは、こうした熱によってパッドが音を上げてしまう現象のことを指す。フェードが始まる温度=フェードポイントは、ブレーキパッドによって大きく異なり、一般的な市販車のノーマルパッドは、300~350度を超えるとフェード現象がはじまる。アフターパーツとして販売されているストリート用のスポーツパッドが500度前後、ストリート&サーキット用が700度前後、サーキット専用・レース用のパッドはそれ以上という設定になっている。ブレーキキャリパーの中に装着されているパッド

 フェードポイントは高ければエライというものではなく、低温での効き、ダストや鳴きの問題、耐摩耗性、ローターへの攻撃性、コントロール性など、相反する要素をバランスよくまとめる必要があるので、用途に合ったパッドを選ぶのが非常に重要。

 そのうえで危険なフェード現象を防ぐには、どうすればいいのだろうか。摩耗しているブレーキパッド

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