代表的なスペアタイヤ取り付け「3つの方法」
この「グレー問題」はひとまず棚上げにして、改めて取り付け方法について見ていく。まず先述したシエラ用純正ブラケット。確かに価格的にも取り付け難易度的にも魅力なのだが、意外な問題もあるという。それが入手方法だ。いわゆる自動車整備屋さんやディーラーであれば難なく単体で取り寄せられるが、一般の人はそう簡単にはいかない。それでも色々な方法が考えられるが、とにかく一般人にとっては少なからずハードルになるだろう。
次に社外品に交換する方法が思い浮かぶ。一般ユーザーにとっての入手難易度なら最も手軽だし、実際に各メーカーから色々な形状のアイテムが出ているが、基本的には固定部分を外側に出してゲートまでの奥行きを稼ぐ、という理論は同じ。ちなみに写真はシルクロードの「フェイスアップキット」というもの。
最後にカスタマイズ系ユーザーにとってはある意味最も親しみやすい(?)方法、ワイドトレッドスペーサーの活用だ。確かにこれも同じ理論であるが、スペーサー単体だと純正ブラケットに対してグラ付きが出てしまうのが問題。 それを解消するために用意するのがブレーキローターだ。ローターがあるとブラケットにしっかりと密着するし、スリットタイプにすれば見た目もいいかも知れない。 どちらも大概2個1セットで売っているので、例えば同じような方法でスペアタイヤを付けたいジムニー仲間がいれば“割り勘”をすれば出費も抑えられる。編集部がネット価格を調べたところ、2つで約8000円だった。前述の通り左右セット(つまり2個付いている)なので、割り勘なら1人4000円で買える計算だ。
その際に注意すべきポイント。ワイトレ・ローターいずれもジムニー用(5Hー139.7)を揃えることだ。「軽自動車用でいいんでしょ?」と、最近の軽自動車に多い4H-100サイズを買っても付かない。言われてみれば当たり前だが、意外と盲点だったりもする。
盲点だけどズシリとくる「重量問題」もあった
スペアタイヤを社外タイヤホイール&タイヤに交換して固定する方法はこの3通りがほとんど。そして例の「グレー問題」以外に意識すべきが重量の問題だ。特に最後に紹介した“ワイトレ&ローター”導入術はホイールセッティング同様、太くなったら同様にスペーサー幅を増やせば、理論上はどんなサイズでも付けられるが、3つの方法のうち、一番重くなるのがデメリット。
さらにタイヤサイズを225あたりにすると、純正のタイヤから比べるとタイヤだけでも重くなる。「あまりに重いとゲートのヒンジに負担が掛かりすぎて、嫌な音が出たりします。自分の先輩がシエラに225/75サイズのタイヤをスペアとして付けたら、やっぱり嫌な音がしたそうです」(前出の菅原さん)。
昔からのジムニーユーザーで競技に参加している人は、これら(特に重量)を嫌って“レス”にする人もいる。同様に現行のジムニーからその数を伸ばした、オシャレ系ユーザーもあえての“レス”は多い。“レス”なら今回紹介したモヤモヤする「グレー問題」からは解き放たれるが、いざという時にスペアタイヤがない、という新たな問題も挙がってくる。
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