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軽もSUVもミニバンもなんでも縦開き! 圧倒的に「ドヤる」なら「ガルウイングドア」化が最高

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TEXT: 平塚直樹(HIRATSUKA Naoki)  PHOTO: Auto Messe Web編集部,Automobili Lamborghini S.p.A.,Daimler AG.

ドアを斜め上方に跳ね上げるカスタム

 クルマのドアをカスタムする手法で、2000年前半頃に一世を風靡したのが「ガルウイングドア」。ドアを斜め上方に跳ね上げる方式に変更することで、普通の国産車がスーパーカーのようなフォルムになることが人気を博し、かつてはクーペやセダン、ミニバンや軽自動車など、幅広い車種で大流行したのだ。ここでは、そんなガルウイングドアとは、どんなカスタムなのかについて紹介する。最終7代目T230型セリカのガルウイングカスタム車

ランボルギーニのドアが由来

 ガルウイングドアは、英語で「Gull Wing door」と標記するが、これは日本語で「カモメの翼」を意味する。元々は、1954年にメルセデス・ベンツの300SLが採用した、車体の外側上方に向かって左右のドアが開く方式を指し、前から見たドア全開時の姿が、飛行中のカモメに似ていたことから付けられた愛称だ。メルセデス・ベンツの300SL

 一方、日本やアメリカなどのカスタムマシンに多く採用されるのは、厳密にいうとベンツ式と違い、ランボルギーニの代名詞ともいえる、斜め上方にドアを上げ下げする方式だ。欧米では、この方式をハサミのような動きをするため“シザースドア”、もしくはランボルギーニのドアという意味で“ランボドア”とも呼んでいる。2001年のランボルギーニ・ディアブロ6.0

 日本では、1970年代のスーパーカー・ブームの時から、ランボルギーニ式も“ガルウイング”と呼んでいたため、カスタムとして流行した時も、その呼称がそのまま使われたのだろう。

2000年代に流行した「スポコン」が発端で流行

 カスタムとしてのガルウイングドアが、いつ頃から日本で行われていたのかは不明だが、大流行の契機となったのは2000年代前半に人気を博した「スポコン」からだ。80スープラのガルウィングカスタム車

 これは、映画「ワイルドスピード」シリーズのヒットにより、アメリカで大流行した「スポーツコンパクト」というカスタムジャンルの愛称(1970年代にテレビでヒットした「スポーツ根性ものドラマ=スポ根」とは違うので念のため)。

 映画では、ホンダのシビックやトヨタ・スープラ、日産・スカイラインGT-R、マツダ・RX-7など、国産スポーツカーをカスタムしたクルマたちが大活躍する。Z33型フェアレディZのガルウイングカスタム車

 派手なエアロやGTウイング、ネオン管などの光モノパーツといった、アメリカ的な解釈でカスタムされたクルマたちは、“派手で目立つ”ドレスアップ的要素が強く、“速さ”を重視する日本の“チューニングカー”とは一線を画していた。

 そして、そういった劇中のクルマのカスタムが、当時の若者に受け入れられ、日本では「スポコン」として流行したのだ。

 ガルウイングドアも、そういったスポコン・カスタムのひとつとして、当時アメリカで高い人気であることが紹介され、日本でも火が付き、様々な車種に取り入れられることになる。

 当初は、主に2ドアクーペ車だけに付けられていたが、そのうち4ドアセダンやSUVなどにも車種が拡大。また、スポコンは基本的にアメリカで販売された国産車をベースとするスタイルだが、VIPカーなど他ジャンルにもブームが飛び火し、高級セダンやミニバン、軽自動車などにも、ガルウイングドア車が急増。ガルウイングカスタムはミニバンにも採用されている

 当時は、ドレスアップコンテストなど様々なカスタム系イベントで、ランボルギーニばりにドアを斜め上方に跳ね上げた多種多様なクルマが、十数台近くずらりと並ぶといった光景も珍しくなかったほどだ。

ハマーのガルウイングカスタム車たち

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