服部茂章代表率いるHREの16号車、第23戦は12位で完走
「NASCAR(ナスカー)」といえば、アメリカでもっとも人気のある自動車レースのシリーズだが、このナスカーの世界で、唯一の日本人チームオーナーである服部茂章氏が率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」も長年参戦を続けているチームのひとつ。その中でもこのHREはピックアップトラックで競われる「NASCAR GANDER RV & OUTDOORS TRUCK SERIES(トラックシリーズ)」に挑戦を続け、2018年にはタイトルを獲得しているチームである。
2020年シリーズをランク6位で終える
99周目に最終ステージのリスタートが切られ、ヒル選手はポジションを上げていった。14番手に順位を上げたところで後続のクラッシュにより、このレース初めてのイエローコーションが出される。ここでチームはさらなるスピードアップを目指してピットインを指示。給油とタイヤ交換と共にセッティングを変更。14番手からのリスタートとなったが、スピードが上がった16号車は極端にイン側に寄せたコース取りなど、さまざまなアプローチを駆使して前車を攻略して、ポジションを上げて行く。
しかしチェッカーを目前にした147周目、左リアタイヤからバイブレーションが発生。ペースが落ち始めたが、ここで運よく後続車がクラッシュしてイエローコーションが出され、レースは残り2周のオーバータイムに突入する。ここで、最後のスパートに賭けて新品のタイヤを温存していたドライバーはタイヤ交換の為にピットに向かうが、HREチームは新品タイヤが残っていない中、安全の為にバイブレーションが出ている左リアタイヤを消耗の一番少ない中古タイヤに交換してコースに送り出す。オーバータイムの再スタートを14番手から迎えたヒル選手は、2台をパスし12位でチェッカーを受けた。
今シーズン、23戦の全戦に出走した16号車は、2回の優勝を含む11回のトップ5フィニッシュ、17回のトップ10フィニッシュとコンスタントに上位入賞を果たして、レギュラーシーズンでのチャンピオン獲得。しかし、その後の年間チャンピオンを賭けたプレイオフではシリーズチャンピオンを獲得できず。年間ランキング6位という結果で今シーズンを締めくくった。HREは来シーズンもこのトラックシリーズに、更に万全な体制を築き、3年ぶりのチャンピオン獲得に向けて挑む。