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「公道使用」OKだけど実際に使うのはヤメるべき! 一応「溝」のあるサーキット用タイヤの中身とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、ブリヂストン、横浜ゴム

一般ドライバーにはメリットなし?

 その筆頭といえるのは耐摩耗性だろう。セミスリックタイヤには複数のコンパウンドがあるが、その多くは減りがハイグリップのラジアルタイヤより激しいと考えて良い。特に路面温度が低い時期やレースの予選で使う「ソフト」はまるで消しゴムを削るかのように減ってしまう。「ソフト」コンパウンドのセミスリックタイヤに耐久性は期待できない 逆に真夏や耐久レース用の「ハード」コンパウンドを冬に使えば、いつまでもタイヤに熱が入らずグリップ力は低いまま。そのため季節やカテゴリーに合わせたコンパウンドを用意しなければならず、使いこなすには相応のノウハウと資金力が必要となる。レースや季節ごとにコンパウド使いこなすには相応のノウハウと資金力が必要

一般公道も走行できるが…

 続いて一般公道での使用だが、結論としてはオススメできない。摩耗の早さと適切なコンパウンドを選ぶ必要性に加えて、ロードノイズや乗り心地といった快適性は考慮していないにも等しい。さらに「レインタイヤ」と呼ばれる特殊な製品を除いては、ウエット路面とドライ路面での性能差が大きいので、サーキット用と割り切ったほうが安全だ。セミスリックタイヤは強力なグリップ力を誇るが、一般道にはオススメできない

 ちなみに車検は「競技専用」と謳うまったく溝のないスリックタイヤなどを除き、規定の残量があれば一般的なラジアルタイヤと扱いは変わらない。セミスリックタイヤでも、規定の残量があれば車検も問題なく通せる

 以上のようにグリップを極限まで追求したがゆえの注意点はあるが、正しく使えばサーキット走行において強い味方になること間違いナシ!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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