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サーキットは一瞬のミスで「クルマ」を失い「ケガ」も負う! そんなとき「泣き」をみない「専用保険」の中身とは

モータースポーツにおける「転ばぬ先の杖」 最近はメリット多数の保険も登場

 モータースポーツにおける最大のリスク、それは説明するまでもなくクラッシュだ。状況によってはクルマだけじゃなく、ケガやサーキットの施設を破損することも。万が一のとき参加者の金銭的な負担を軽減する、サーキットで適用される保険について調べてみた。

各商品の「保険適応範囲」は事前によく確認

 サーキットは何から何まで自己責任。自分でクラッシュした場合はモチロン、相手に非があっても修理費は請求しないし、ガードレールなどを破損しても支払いは自腹。施設や主催者が用意する『保険』もあるにはあるけど、適用されるのはケガの治療であり対象はドライバーだけだ。

 ただし近年はモータースポーツの間口を広げる目的もあって、車両の修理にも対応した保険が登場している。代表例はTOYOTA GAZOO Racingが主催する、86&BRZとヴィッツのワンメイクレース。あいおいニッセイ同和損保による『ワンメイクレース対応保険』で、従来のドライバーに対する補償だけじゃなく、車両どうしの接触による修理も付帯しているのが特徴だろう。

 もっとも相手への賠償やサーキットの施設は含まれず、適用されるのは公式予選および決勝レースだけと範囲は限定的。ここはしっかりと把握した上で加入したいところ。

 また保険会社によってはサーキットを想定した特約を設定しているケースもある。とはいえシステムや保険料はバラバラで、さらに加入者数が(他の通常の特約と比べると)少ないためか、担当者ですら存在を知らない、なんて話も聞くのでなかなか一般的とはいえないのが現状だ。

公益財団法人 スポーツ安全協会ホームページより(https://www.sportsanzen.org/hoken/)

 そこで注目したいのが、公益財団法人・スポーツ安全協会の『スポーツ安全保険』。4名~のアマチュア団体およびグループが対象で、スポーツに限らず文化活動やボランティアの団体も加入が可能。入院や後遺障害に対して使われる『傷害保険』は当然として、他人にケガを壊したり他人のモノを壊したことで、法律上の損害賠償責任が発生した際の補償や、突然死における葬祭費用を負担してくれる。

 注目したいのは団体として活動中だけじゃなく、その往復中で起きた事故も補償の対象となっている点。モータースポーツに置き換えれば走行中の他、自宅からサーキットまでの往復にも適用されるというワケだ。

 JAFの地域クラブ協議会である『JMRC東京ジムカーナ部会』では、いち早くこの保険を採用し独自の見舞金制度と併せて運用している。同クラブのウェブサイトによると競技会の当日のみならず走行会や講習会にも有効で、従来の見舞金制度より加入費用が安く死亡補償は1000万円から2000万円に増額。

 JMRC加盟クラブへの入会が必要だったり諸条件はあれど、今までのモータースポーツを対象としていた保険に比べ、適用となる範囲の広さや補償の内容が充実していることは間違いないだろう。事故を減らすため努力することは大前提として、万が一に対する備えも主催者や参加者として欠かせない!

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