インパクト抜群の旧車をピックアップ!
このところキャンプがブームになっている。コロナ禍での密を避けたレジャーとして、お一人様でのキャンプに「ソロキャン」という呼び名がついたり、ユーチューバーでもキャンプ系といったカテゴリーが人気を集めたりしている。
もちろん、昨今のクロスオーバーSUVムーブメントもキャンプのようなアウトドアレジャーを楽しもうというマインドを生み出している。とはいえ、スタイリッシュでクーペ的なフォルムも増えているSUVは、どこか牧歌的な雰囲気のキャンプ場に馴染まないこともある。そもそもSUVが流行りすぎていて隣のサイトのユーザーと差別化できていないと感じることもあるだろう。
では、どんなクルマでキャンプ場に行けばインパクト抜群なのか。旧車ながら今でもフレッシュなイメージでインパクト抜群のモデル5台を紹介しよう。とはいえ、そのほとんどは50年近く前のモデル。市場で見つけてくることも、しっかり維持することも難易度が高いことは悪しからず、だ。
1)ホンダ・バモス【初代 1970~1973年】
ホンダの「バモス」というと、少し前まで新車で販売されていた軽1BOXを思い浮かべるかもしれませんが、ここで紹介したいのは初代バモス。軽トラック「TN360」のメカニズム(いま風にいえばアーキテクチャ)を利用したオープンタイプのピックアップで、ミッドシップに空冷2気筒エンジンを搭載するリア駆動の軽自動車だ。
2人乗り、4人乗りがあったが、いずれにしてもドアはなく、転落防止のパイプがあるだけというのはユーザーを選ぶ。そのため総生産台数も3000台足らずになったという。
2)ダイハツ・フェローバギー【1970年】
奇しくも、初代バモスと同じ1970年に生まれた、もう一台のレジャー軽自動車がダイハツ・フェローバギーだ。フェローというのは、当時のダイハツ軽自動車の中心的モデルで、このフェローバギーは、2気筒エンジンや4速MTというフェローのメカニズムをそのまま流用したレジャービークル。
ユニークなボディはFRP製で、乗車定員は2名という割り切ったデザイン。もともとバカ売れするとは誰も思っていなかったようで、100台限定というパイクカー的な商品企画だった。それゆえに、中古車で手に入れるのは至難の業といえるコレクターズアイテムとなっているが、たしかにこのスタイルでキャンプサイトに乗り付ければ注目を集めること請け合いだ。
3)スズキ・ジムニー【初代1970~1981年】
とまあ、バモスとフェローバギーの2台はあまりにも入手困難。もう少し可能性があるモデルは? と考えると浮かんでくるのが、またしても1970年に誕生した軽自動車唯一の本格クロスカントリーモデル「ジムニー」の初代モデルだ。
エンジンは2サイクル・2気筒でアイドリングでは、どこかのどかな雰囲気の排気音を奏でるが、アクセルを踏み込むと白煙をあげてパワーを絞り出す。初代ジムニーも幌ボディだけの設定で、ドアも幌。はっきり言って快適性とは無縁の無骨なモデルだが、規格品の丸ヘッドライトとロゴを刻まれたフロントグリルの顔つきは愛嬌のあるもので相棒と呼びたくなる。
4)ダイハツ・タフト【初代1974~1984年】
初代ジムニーのスタイルが魅力だと思っても、さすがに2サイクルエンジンは……と思うのであれば、車格的にジムニーの兄貴分となるダイハツ・タフトはどうだろうか? タフトといっても2020年にデビューした軽SUVモデルのことではない。
初代タフトは、ジムニーとジープの間を埋める1リッター4気筒エンジンを搭載した小型クロスカントリー4WDとして誕生している。マイナーチェンジで1.6Lエンジンを追加、さらに後期型ではオーバースペックともいえる2.6リッターディーゼルも用意されるなど、着実にトルクを増やし、悪路走破性能を高めていった。そのまま1980年代まで生産されていたため、探せば見つからなくはないが、レア車なのは間違いない。
5)ミニ・モーク/カジバ・モーク【1964~1993年】
ここまでSUVという言葉が生まれるはるか前の国産レジャービークルを紹介してきたが、輸入車でも同テイストのモデルが存在する。それがミニ・モークだ。スタイリングからは駆動レイアウトもわかりづらいが、名前からもわかるようにオールドミニのアーキテクチャをベースにしたレジャービークル。
1960年代にはBMCミニがそのバリエーションとして生産していた。ただし、日本で見つかる個体の多くは、1990年代にバイクメーカーのカジバが取得した権利により再生産された1.0リッターエンジンを積み、12インチタイヤを履いたバージョンとなっている。