ばね下さえ軽ければ運動性能が上がるというものでもない
ハンドリング性能に関しても、10倍とまではいえないが、体感できる大きな効果があるのは間違いない。モータースポーツやハイパフォーマンスカーが、鍛造ホイールやジュラルミンホイール、カーボンブレーキ(耐熱性もある)、軽量タイヤ、アルミサスアームなどを投入してばね下の軽量化を図るのはそのためだ。
その効果については、よく鉄下駄とスポーツシューズに例えられる。同じ2kgの重さでも背中に背負って走るのと、昔流行ったパワーアンクルを足首に巻いて走るのとでは、走りやすさが決定的に違うというのはわかるだろう。ただし、人間だって軽ければワラジや裸足の方がいいわけではないように、クルマもばね下が軽ければ運動性能が上がるというものでもない。
ばね下、とくにタイヤやホイールは剛性も重要な要素で、かつてサーキットでテストしたときは、軽さを最優先したホイールより、重量はそこまで軽くなくても、剛性の高いホイールを履いたときの方が、フィーリング、タイムともによかったというデータもある。
そういう意味で、剛性と軽さはどちらも重要。ホイールを履き替えるときは、できるだけ軽いものを選びたいところだが、同時に剛性も重視し、バランスのとれたものを選ぶようにしよう。