快適に永く利用するためには事前の調査は重要
したがって、利用するには駐車場所を吟味する必要がある。高速道路の休憩所などにある障害者向けの駐車場所は、枠の横幅が広くとってあるので便利だ。一方、自宅周辺などでは道路や駐車枠が狭い場合も考えられ、単に回転シート車だから便利で安心ということにはならないこともありえる。車両の機能だけでなく、利用する場所の駐車環境についても事前に調べたり、考慮しておいたりすることが肝心だ。
同様のことは、ミニバンの2列目シートからの乗降を助ける機能についてもいえる。2列目の座席が回転し、せり出すだけではそれなりの広さがクルマの左横に必要になる。そこで、車外に出た座席全体が前方へやや傾くチルト機構も合わせて備える方式も存在する。これであれば、車両脇の広さがそれほど広くなくても利用できる。
シートを回転させるなどの操作があるため、乗降には数分の時間も要する。落ち着いてゆっくり乗降できる時間や気持ちのゆとりも必要だ。また、車椅子を利用している場合は、乗降後の車椅子の出し入れの時間も考慮しておかなければならない。
回転シートの機能は、自動車メーカーや車種によっても若干仕様や操作方法に違いがあるはずで、こうした機構は販売店や展示会など、屋内でも確認できることなので、手間を要するかもしれないが、いくつか実体験したうえで選ぶことが、快適に永く利用し続ける助けになるだろう。