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「回転シート」車は購入前に「絶対」チェックが必要! 確認すべき「差」はドコにあるのか?

回転シートの機構は販売店や展示会で実体験をすることが大事

 障害を持つ人や高齢の人がクルマの助手席に乗降する際、手助けとなる機能に回転シートがある。助手席に座ったり、降りるとき地面に足を着いたりするのを助けるため、座席が車両の外側へ回転する機能だ。これにより、車内へ乗り込んだり、車外へ体を出したりする動作が補助される。

 この助手席回転シートにはいくつかの種類がある。体を動かせる範囲や、体を動かすときの力の入り具合など各人の体調にあわせて選ぶといい。

 助手席が、車両の外側へ回転するのはいずれも同じだが、回転したうえで、

1)さらに車外へ座席がせり出すもの

2)座席が回転したのち、座席全体が前方へ傾き、体を大きく曲げたり、足をかがまなくても座席に座ることができたりするもの

3)座席が車外へせり出したあと、地面近くに座席が下がるもの

などの違いがある。

 助手席が回転したのち、車外へさらに座席がせり出す(1)の方式では、かなり外へ椅子自体が出てくるので車両の屋根を気にせず、また上体を前かがみにしなくても座席に腰かけることができる。

 車外へ座席が出たあと、座席全体が前方へ傾く方式は、膝を曲げて座るという動作が十分にできなくても、座席にもたれかかるようにすれば着座できるので、膝や腰を大きく曲げにくい場合に、より着座しやすくなる。また降りるときも、体を持ち上げる距離が減って立ちやすくなる。

 座席が地面近くまで下がる方式は、着座位置が下がるので、背の低い人でも自然な動作で着座することができる。逆に背の高い人は、座席自体が低くなりすぎるので、かえって着座しにくくなるかもしれない。ただし、座席の高さを調整できるものもある。

 そもそも助手席が回転するだけで、かなり乗降しやすくなるが、体調などによって追加の機能があることにより、より楽に乗車できるようになるだろう。また、普段は元気にしている年配の人も、座席が回転するとより楽に乗降できるので検討してみるのもいい。

 いずれの場合も、利用する際は平たんな路面で停車し、サイドブレーキを確実にかけ、シフトレバーをパーキング位置にして、助手席の人の介助をする。また、助手席が回転することにより、車体のサイドシル部分に座席が出ることになるため、助手席のドアは全開にすることが前提になる。

快適に永く利用するためには事前の調査は重要

 したがって、利用するには駐車場所を吟味する必要がある。高速道路の休憩所などにある障害者向けの駐車場所は、枠の横幅が広くとってあるので便利だ。一方、自宅周辺などでは道路や駐車枠が狭い場合も考えられ、単に回転シート車だから便利で安心ということにはならないこともありえる。車両の機能だけでなく、利用する場所の駐車環境についても事前に調べたり、考慮しておいたりすることが肝心だ。

 同様のことは、ミニバンの2列目シートからの乗降を助ける機能についてもいえる。2列目の座席が回転し、せり出すだけではそれなりの広さがクルマの左横に必要になる。そこで、車外に出た座席全体が前方へやや傾くチルト機構も合わせて備える方式も存在する。これであれば、車両脇の広さがそれほど広くなくても利用できる。

 シートを回転させるなどの操作があるため、乗降には数分の時間も要する。落ち着いてゆっくり乗降できる時間や気持ちのゆとりも必要だ。また、車椅子を利用している場合は、乗降後の車椅子の出し入れの時間も考慮しておかなければならない。

 回転シートの機能は、自動車メーカーや車種によっても若干仕様や操作方法に違いがあるはずで、こうした機構は販売店や展示会など、屋内でも確認できることなので、手間を要するかもしれないが、いくつか実体験したうえで選ぶことが、快適に永く利用し続ける助けになるだろう。

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