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サーキット走行後の帰路でハンドルが「震える」症状! 驚くべき原因と対処法とは

タイヤとホイールの位置がずれてバランスが崩れる

 タイヤを交換するとき、ホイールにタイヤを組んだあとに必ず“バランス取り”を行う。タイヤもホイールも一見まん丸に見えるが、いずれも微妙なばらつきがあり、黙って組んだだけだと、重量的にアンバランスな部分が出てくる。

 そのままクルマに装着して走り出すと、タイヤは大きく重たい回転物なので、フロントタイヤには「シミー」「フラッター」と呼ばれるハンドルの回転方向に振れる振動があり、リアタイヤには「シェイク」といわれるボディ全体のバイブレーションが生じてくる。

 そのアンバランスを解消するために、専用のバランサーを使ってバランスウエイトと取り付けるのが、バランス取りという作業。

 ところが、タイヤとホイールはボルトとナット、あるいは接着剤などで固定されているわけではないので、サーキットでハードなブレーキやフル加速を繰り返していると、タイヤとホイールの位置がずれて、再びアンバランスになってしまうことが少なくない。これがいわゆる「リムずれ」というもの。

 リムずれが起きると、前記のようにハンドルやボディにバイブレーションが発生し、非常に不愉快なことになるので、ホイールバランスの再調整が必要になる。それをチュックするために、新品のタイヤを組んだら、まずバランスがとれている状態のときのタイヤとホイールの位置関係をチェックしておこう。

走行前にバルブの位置と軽点を確認

 通常タイヤショップでは、サイドウォールの黄色い点=軽点とホイールのバルブの位置を合わせるようにタイヤを組むので、軽点とバルブの位置が合っていれば、それを目安とする。職人系のタイヤプロショップだと、重量バランスより真円度(ユニフォミティ)を優先してタイヤを組むことがあるので、その場合は軽点とバルブの位置が最初からずれている可能性もある。

 そうした場合は、組んだ時点でバルブの位置にマーカーで印を付けておこう。そのうえで、スポーツ走行をするときは、走行前にバルブの位置と、軽点もしくは組んだときに付けたマーカーの位置が合っているかを確認。そして走行後にその位置がずれていないかを確認しよう。ずれていなければOKだし、もし大きくずれている場合は、バランスの取り直しが急務になる。

 このリムずれを防ぐにはどうすればいいのか。

1)新品タイヤの慣らしをきちんとやる

 タイヤの慣らしは、ゴムやカーカスコードを安定させるのが目的だが、タイヤを組み付ける際に使った、ビートクリーム(ワックス)を乾かすのも大事。ビートクリームが残っているうちに大きなトルクのかかる加減速を繰り返すと、リムずれが起きやすくなる。夏タイヤなら80km/h以下のスピードで、100km以上の慣らし運転を行おう。

2)リムずれ防止剤を使う

 一部タイヤ専門店では、ビートクリームの代わりにリムずれ防止剤を使っている先進的なところもある。こうしたお店で交換作業をしてもらうのもひとつの手。

3)ローレット加工のあるホイールを使う

 高性能のモータースポーツ用ホイールには、タイヤのビートが接するホイールのリム部に滑り止め加工=ローレット加工が施されている製品がある。本格的にサーキット走行を楽しむのなら、こういうホイールを選ぶのもあり。

 もっともサーキット走行をしなくても、1万kmぐらい走ったら、ホイールバランスを再調整するのがひとつの理想だ。

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