デザインの雄、カロッツェリア・ギアが関与した戦闘マシン「RS200」
ところがRS200は“マシン”に生まれ変わることを前提にデザインがまとめ上げられていたのです。当時フォードの傘下にあったイタリアのコーチビルダー、カロッツェリア・ギアが担当しており、ベースモデルと競技車両の差があまり感じられませんでした。ですから迫力満々のライバルに交じってラリーのパルクフェルメで憩う、流麗なスタイリングのRS200は、まるで掃き溜めに鶴のような華麗さがありました、というとちょっと言い過ぎでしょうか。
個人的にはランチャ・ラリー037の流麗さが一番のお気に入りでしたが、ワークスのマルティ二・カラーはずいぶんと派手でしたから、フォード・ワークスであるMスポーツの、大人しいカラーリングもお気に入りで「自分で手に入れるんだったら037よりもRS200だなぁ」と、身に過ぎる夢を見ていたことを思い出しました。それもそのはず今でもどちらも価値ありありで、今年の2月にイギリスで行われたシルバーストーンオークションでは、単純シンプルの市販バージョンであるRS200でも2500万円余で落札されていました。
ホワイトボディに紺のストライプが映えるワークスカラーの個体はフランスのマノワール自動車博物館とシュルンプ・コレクション(国立自動車博物館)で、深紅のロードゴーイングモデルは四国は高知県の香南市にある四国自動車博物館で撮影。