3名による争いは繰り広げられた
前大会の雨のヒルクライムから一転、サーキットトライアルの今大会は好天に恵まれた。当日は、コースインからの2周のみのタイムアタックということで、練習走行から各選手が決勝を見据えた走行を開始していった。その練習で、この日唯一の51秒台となる51秒904のタイムを出したのが中川勇気選手(#65 チームナビックみどりエッセ)、それに次ぐ52秒075のタイムは、ポイントランキング暫定トップに立っている加藤正夫選手(#37 水色エッセ)。 さらには前日から走行練習を重ねてきた藤井俊也選手(#62 やまびこっ!大福エッセ)が52秒381。そして52秒786を出した西脇裕一選手(#63 KRT・YHT甲信飯田・ウエストF&SR・SP青エッセ)といった有力選手が好タイムを出してくる。 そしていよいよ第5戦が午前11時50分過ぎにスタート。一部ダブルエントリーの車両の出走順を考慮してはいるが出走順はランキング下位からのゼッケンとなっており、そのゼッケン順での出走となる。本番の第5戦は52秒台をマークした3名による争いとなり、52秒170のタイムで中川選手が優勝、続いて52秒311で加藤選手が2位に。アタック1周目にあわや横転かと思われるほどのスピンを喫した藤井選手は、2本目に気持ちを切り替えて52秒466のタイムを出し、3位に入った。続く第6戦でも、この3名による争いは繰り広げられることとなった。 第6戦で藤井選手の出したタイムは、第5戦よりも若干伸び悩んだ52秒687。中川選手がそれを上回る52秒182のタイムで暫定トップに立ち、残る3台のアタックを見守ることとなる。そして迎えた最終出走者である加藤選手の走りは、なんとこの日の(練習走行セッションを除く)ベストタイムとなる52秒011の素晴らしい走り。加藤選手は今年初の開催となった記念すべき2020AJECシリーズの最終戦を締めくくった。 加藤選手は、第5戦を終えた時点で、シリーズタイトルを確定しており、見事オールジャパンエッセカップ初代チャンピオンを獲得。シリーズ2位には、この日の2戦で優勝と2位を獲得した中川選手が入った。そしてランキング3位には、このAJECシリーズ発足のきっかけとなったBRIGヒルクライムシリーズでエッセで今季のタイトルを決めた保科学選手(#30 NHKメック スーパーエッセ)が入った。保科選手は第5戦4位、第6戦4位と、確実にポイントを獲得し、ランキング3位に浮上した。
2021年は4〜5月の開催予定
シーズン終了とともに、AJECは来季、さらにパワーアップして開催となることが発表された。2021年シーズンは全4ラウンド4戦で、これまでのような1開催で2戦を組み込む方式は取りやめとなる。内容としては、今年同様、パイロンジムカーナ、林道アタック、サーキットトライアルが組まれるというが、それ以外に、事務局が作り上げた造語、ラリージムカーナも計画中だという。これはさまざまなコースをラリーのSSのように回りながらその合計タイムを競うものとのことだ。
また新型コロナ感染拡大の影響によるところが多いが、来年の開催は第1戦を4~5月、第2戦を6~7月、第3戦を10~11月に、第4戦を12月に開催できるよう準備を進めているという。加えて競技参加クラスを2つに分けての開催を検討していることも発表された。