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高齢ドライバーに朗報! サポカー補助金の延長決定で「未装着車」は絶対付けるべき「踏み間違い防止装置」とは

取り付けは認定工場じゃないと補助金の対象にならない

 2020年3月より申請受付が開始され、今年度で終了だったサポカー補助金。経済産業省のホームページによると「令和3年度も継続」と書かれている(ただし予算に達成し次第終了)。65歳以上のドライバーを対象とした「サポカー補助金」の対象に含まれたことで、にわかに注目を集めている「後付けのペダル踏み間違い急発進抑制システム」。これはそもそも、一体どんものなのだろうか?

 少子高齢化の進行に伴い、高齢者の運転ミスを原因とする重大事故が増加傾向にあることを受け、政府は2017年よりADAS(先進運転支援システム)を装着する新型車を「サポカー」と呼んで普及・啓発を促している。

 と同時に、すでに公道を走っているクルマに対しても、後付けで運転ミス、とりわけ75歳以上の高齢ドライバーで死亡事故発生の要因として比率が高い、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いを抑えられるシステムを開発・販売するよう、国内乗用車メーカー各社に呼びかけた。こうして生まれたのが、「後付けのペダル踏み間違い急発進抑制システム」である。

 最初に発売されたのはダイハツとトヨタのシステムで、ダイハツの「つくつく防止」は2018年12月5日より2代目タント、2019年2月より4代目ムーヴと7代目ミラを対象として販売開始。トヨタはデンソーと共同開発したものを、同じ2018年12月5日より3代目プリウスおよび現行アクアを対象として販売開始し、以後順次対象車種を拡大している。

 他の国内乗用車メーカーも、「サポカー補助金」の申請受付が開始されて間もない2020年5月から9月の間に、トヨタと同じデンソー製のシステムを用いた製品を発売することで、一斉に対応し始めた。

 国内乗用車メーカー各社が純正用品として販売するこれらのシステムはいずれも、前後バンパーに2つずつ装着するソナー(超音波センサー)、室内に設置するインジケーター(表示器)、車内に置くコントローラー(コンピューター)で構成されている。

 機能としては、前後2つずつ装着した超音波センサーが前後3m以内にある障害物を検知し、その際に車速10km/h以下の状態でアクセルペダルを強く速く踏み込むと、ブザー音で注意喚起。それでもアクセルペダルを踏み続けた場合は燃料供給をカットしクリープ状態にまで抑え込むことで、衝突被害を軽減する。

 なお後退時は、障害物を検知していない状態でも、約5km/h以上でアクセルペダルを踏んだ場合は、警告とともに速度が出過ぎないよう加速を抑制するようになっている。

サポカー補助金はサードパーティ製も受けられる

 一方「サポカー補助金」には、自動車メーカー純正用品だけではなくサードパーティ製の「後付けのペダル踏み間違い急発進抑制システム」も認定されているが、それらの仕組みは大きく異なる。

 多くはソナーを装着せず、車速とアクセルペダルの開度から、ペダル踏み間違いによる誤発進を判定。検知すると自動的にアイドリング状態にしたり、ニュートラルあるいはエンジン停止状態にすることで、アクセルペダルを強く速く踏み込んでも急激に加速しないよう抑え込む仕組みになっている。

 中にはアクセルペダル自体を交換し、アクセルペダルを強く速く踏み込んだ際にリンクを解除することで急加速を抑える、機械式のシステムも存在する。

 ちなみに価格は取付工賃別で純正品が3万円強~7万円強。サードパーティ製は3万円前後(機械式のタイプは非公表)となっている。

 いずれにせよ、これら後付けのシステムに関しては、「サポカー補助金」の補助事業執行団体である次世代自動車振興センターが認定した「後付け装置を取付ける店舗等」で取付作業を依頼しなければ、補助金交付の対象とはならないので注意してほしい。

 クルマの運転に限らず、身体の衰えを自覚せず、あるいは認めずに、過去の技量が今もあるものと過信して、反応が遅れたり誤った操作をしてしまったりすることは、高齢になれば誰にでも起こりうること。高齢ドライバーが身内におり、周囲の交通インフラ事情から免許返納も難しい場合は、ぜひ積極的に「サポカー補助金」と「後付けのペダル踏み間違い急発進抑制システム」を活用してほしい。

【詳しくはこちら】

次世代自動車振興センターのHP
http://www.cev-pc.or.jp/support-car/atoduke-souchi.html

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