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使い方に合わせたサスが用意されている! 総合チューニングパーツメーカー「HKS」は86&BRZ用の足回りを5種類もラインアップ

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TEXT: 橋本洋平(HASHIMOTO Yohei)  PHOTO: 木村博道

サーキットスペックからノーマル形状まで揃う

 HKSは86&BRZ用として5種類もの足まわりをラインアップしている。走るステージやドライビングスタイルの違いなど、ユーザーの使い方から、乗り味の好みにも対応して行こうという姿勢があるからこそ。5種類のラインアップに繋がっているといってもいい。

 その証拠ともいえるのが、5種類の足まわりの価格差がそれほど大きくないことだ。スペック違いのものを打ち出すとなれば、価格はそのなかで大きく開きそうなものだが16万1000円~20万4000円の範囲に収まっている。わずか4万3000円の範囲内で5つの違いを持たせるとは、なかなか興味深い。HKSの拘りを、じっくりと見て行くことにしよう。

【MAX IV GT】「HIPERMAX Ⅳ GTシリーズ」の元祖 いまだに人気が高いモデル

 ストリートからサーキットまでをターゲットにした車高調「ハイパーマックスIV GTシリーズ」は、3タイプも存在する。まずはHKSの定番商品として86&BRZ発売直後から販売を続けてきたGTから見ていこう。

 車高調のなかで、もっとも安価な18万4000円。スプリングレートはF:6kgf/mm、R:4kgf/mmとややハードな傾向にあることが特徴的だ。今回は出荷状態の車高でセットしたため、ダウン量は純正比でフロント17mm、リヤ16mmとハイパーマックスGとさほど変わらないルックスで走る。HKSのMAX IV GT装着例

 走り始めてまず感じることは、ステアリングのダイレクトさが際立っていたこと。さらにセンター付近の座り感は高く、ドッシリとした印象だ。フロントがピロアッパーマウントなので、路面変化が生で得られる感覚があるが、シャープすぎるわけではない。

 ステアリングゲインの立ち上がりはマイルドであり、そこからしなやかにロールを開始。リニアに動く感覚がある。ロールやピッチはうまく抑えられている。それでいて乗り心地もそれほどハードではないところは、ストリートを意識したGTならではの感覚。ここまでのバランスがありながら、他のストリート車高調を開発するのだから驚くばかり。やはり定番として長く愛されているだけのことはある。

【MAX IV GT 20 SPEC】最新のGTモデル 内部が革新的ブラッシュアップ

 続くはGTの進化版である20SPECだ。価格は先のGTに2万円プラスの20万4000円。GTをベースにしながらも価格がアップしたのは、セッティングの手間賃がかかっているからだけではない。じつは中身に使われているパーツが色々と異なるのだ。HKSのMAX IV GT 20 SPEC装着例

 まず、新たに搭載されたのはプリロードバルブシステム(PVS)だ。バルブシムにプリロードをかけることで、ピストンスピード低速域での開きにくさを積極的にコントロール。高速域における抜けの良さも確保。動き出しの減衰力を求めてそこを高めてしまうと、高速域で減衰力が大きくなりすぎ、突き上げや乗り心地が悪化する。逆にそこを求めると、動き出しの反応が悪くなってしまい応答性は悪化。両立しようとしたのがPVSというわけだ。さらに、後に紹介するSPEC-Aでも使われている新型バンプラバーを採用(レートや長さは異なる)。バンプタッチ時の特性が穏やかなところが特徴だという。MAX IV GT20 SPECに採用されているプリロードバルブシステム

 また、スプリングは樽型に変更され、よりストロークできるようになったところもポイントだ。それに従いガス室の圧力も昇圧しすぎて、シール関係に負荷がかかってしまうため、形状変更などを行って対応。とにかくストロークに対して真摯に向き合っている。

 走り出すと、第一印象はGTとさほど変わらない。だが、路面が荒れた首都高速に乗って足が動き始めると、路面の追従性や角が取れた印象が違うことが伝わってきた。応答性の良さを損なうことなく、しなやかに高速域まで安定した奥深い走りが味わえること、これが20SPECの良さだろう。GTは高速域の荒れた路面において機敏すぎるところがあったが、この足にはそんな感覚がない。どこまでも安定感が高いところがメリットだ。

【MAX IV GT Spec-A】「世界の新井」が開発に携わった よく動くサスペンション

 ストリート車高調を締めくくるSPEC-Aは、20SPECと同価格。だが、方向性は異なる。F:4kgf/mm、R:4kgf/mmを採用。長めのバンプラバーに2kgf/mmのレートを持たせていることも特徴。HKSのMAX IV GTSpec-A装着例

 セッティングを担当したのは、元WRCチャンピオンの新井敏弘選手。ラリーのチャンピオンがストリート仕様を考えて開発した足ということで、走ればしなやかさがピカイチ! 路面をなぞるようにストロークし、その入力を見事に吸収していたのだ。ただし、スポーツ性も有しており、コーナーリングして行けば、早めにジワリとバンプタッチさせ、しっかりと旋回して行く。まるで欧州車のような乗り味がそこには存在していたのだ。ノーマル形状で得られたコンフォート性と、20SPECのしなやかかつシッカリとした乗り味が融合しているような感覚がそこには存在していた。

【HIPERMAX G】基本性能を高めることにより質の高いフィーリングが得られる

 最後に、ノーマル形状のハイパーマックスG(Gとは「GENUINE(純正)」の頭文字を取ったもの)と名付けられた純正形状のサスペンションから。特徴的なのは単筒倒立式としていることだ。フロントストラットを採用する86&BRZの場合、ダンパー自体がアームの役割も併せ持つためダンパーの横力が入ることは周知の事実。よって、ダンパー自体に強度が必要になるため、剛性面で有利な単筒倒立式を選択した。

 ノーマル比F:15mm、R:16mmダウンとなるこの足は、F:2.9kgf/mm、R:4.6kgf/mm(純正はF:2.6kgf/mm、R:3.4kgf/mm)のスプリングを採用。それほどレートアップさせず、しかも減衰力は伸びも縮みもノーマルより遥かに緩めている。狙うは快適性の向上と、それを達成した上でのスポーツ性の確保だ。HKSのHIPERMAX G装着例

 走ればタウンスピードからしなやかさが際立つ印象で、突っ張った印象のノーマルとは全くの別物だ。ステアリングのゲインの立ち上がり方もマイルドになり、ロングドライブでラクな印象。かなり大人な仕様である。だが、フラットな乗り味で無駄なピッチングやロールは少なく、ジワリと乗ればクルマ全体がきちんと応えてくれる。ノーマルのワングレードとしてあっても良かったのでは? なんて思えるバランスの高さが光っていた。

【MAX IV SP】ワインディングやサーキットで気持ち良く走るためのサスペンション

 サーキットをメインステージに考えるマックスIV SPは、F:8kgf/mm、R:8kgf/mmとスプリングレートを高め設定。他とは違い、リヤにもピロアッパーマウントを採用しているところがスペックとしては異なるところ。けれども、シンプルな造りということもあってか、価格は19万4000円と、サーキット用だからといって高価になるわけではない。HKSのMAX IV SPの装着例

 サーキット仕様とはいえ、今回の試乗はストリート。そこでどんな走りを示すのか? 走ればキビキビとした応答性が際立っているイメージで、少々乱暴な操作をしても無駄な動きを出さずに、シャキッと受け止めてくれる感覚がある。継ぎ目も多く、路面も荒れている首都高速では、突き上げも大きく、タイヤの
接地が離れてしまうところが見られた。

 やはりこの足に似合うのはフラットな路面が続くサーキットということになるだろう。何が何でもサーキットスペックがエライというわけじゃない。

86&BRZ用の「HIPER MAX Ⅳ GTシリーズ」5モデルを改めてチェック!

MAX IV GT 

 スポーツ走行における操作性と、ストリートでの乗り心地の良さを追求したサスペンション。これまでの車高調のイメージを覆す、上質な乗り味が特徴のモデルとなる2年4万km保証で、オーバーホールも可能なモデルだ。MAX IV GT 

【減衰力調整:30段、フロント倒立式/リヤ正立式、バネレートF:6.0kgf/mm、R:4.0kgf/mm スプリング自由長 F:170mm、R:170mm、スプリングタイプ:直巻き、アッパーマウント F:調整式ピロアッパー、R:ゴム 出荷時車高(純正比)F:-16mm、R:-14mm】

価格:18万4000円

MAX IV GT 20 SPEC

 新発想で開発されたMAX IV GTだが、発売から7年が経過した。現在のHKSの技術で生み出したモデルがMAX IV GT 20 SPECになる。減衰力をコントロールするプリロードバルブシステムなど、新構造の採用で、より上質なモデルに成長している。

【減衰力調整:30段、フロント倒立式/リヤ正立式、バネレートF:5.0kgf/mm、R:5.0kgf/mm スプリング自由長 F:170mm、R:170mm、スプリングタイプ:直巻き樽型、アッパーマウント F:調整式ピロアッパー、R:ゴム 出荷時車高(純正比)F:-17mm、R:-16mm】

価格:20万4000円

減衰力を発生させるプリロードバルブシステムを採用。低速ではしっかり減衰させ、ハイスピード域では減衰をカット。無駄な動きを抑え、フラットな乗り味を実現する。プリロードバルブシステムの解説

 スプリングの上下には、ラバーシートや樹脂製のインシュレータを装備する。滑りを良くすることで、異音の防止やフリクション低減などに効果を発揮する。MAX IV GT 20 SPECのラバーシール

MAX IV GT Spec-A

 このサスペンションは、ラリードライバーの新井敏弘選手が開発に携わっている。整地も悪路も走る必要がある、ラリードライバーの感覚で良く動く足、結果的に上質かつ乗りごときの良いサスペンションに仕上がっている。MAX IV GT Spec-A

【減衰力調整:30段、フロント倒立式/リヤ正立式、バネレートF:6.0kgf/mm、R:6.0kgf/mm スプリング自由長 F:200mm、R:170mm、スプリングタイプ:直巻き、アッパーマウント F:調整式ピロアッパー、R:ゴム 出荷時車高(純正比)F:-25mm、R:-28mm】

価格:20万4000円

 新設計のバンプラバーを仕様することでメインスプリングのレートを低減させることができている。ストリートでの快適な乗り心地には、バンプラバーも貢献する。

MAX IV SP

 MAX IVシリーズのなかで、もっともバネレートが高いのがMAX IV SPだ。重視しているのは、ワインディングやサーキットなのだが、それでいて乗り心地もしっかり確保しているのがポイントだ。スポーツ志向が強い人に向いている。MAX IV SP

【減衰力調整:30段、フロント倒立式/リヤ正立式、バネレートF:8.0kgf/mm、R:8.0kgf/mm スプリング自由長 F:170mm、R:150mm、スプリングタイプ:直巻き、アッパーマウント F:調整式ピロアッパー、R:調整式ピロアッパー 出荷時車高(純正比)F:-19mm、R:-21mm】

価格:19万4000円MAX IV SPの足回り付け根部分

HIPERMAX G

 ベーシックな構造なだけに、基本性能の高さが求められる純正形状。乗り心地を追求すべく、単筒式に拘った構造を採用している。ブラケットやケースの強度アップも行い、安定感のある上質な乗り味を得ることができる。HIPERMAX G

【フロント倒立式/リヤ正立式、バネレートF:2.8kgf/mm、R:4.5kgf/mm(前期)、F:2.9kgf/mm、R:4.6kgf/mm(後期)スプリング自由長:専用形状、アッパーマウント:純正(前後)、出荷時車高(純正比)F:-9mm、R:-12mm(前期)、F:-15mm、R:-16mm(後期)】

価格:16万1000円HIPERMAX Gのスプリング&ダンパー形状

 純正形状を踏襲することで、スプリングとダンパー自体の性能を十分に発揮することができる。イラストのようにオフセットされたスプリングを曲げようとした力をキャンセルでき、フリクション低下が狙えるスムーズなストロークが得られるのだ。HIPERMAX Gのサスペンション可動例

【詳しくはこちら】
◆エッチ・ケー・エス 
◆0544-29-1235
www.hks-power.co.jp

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