障がい者が運転免許を取得するには
障がい者が自分で運転できる自操式のクルマが充実しはじめている昨今、健常者同様に障がい者の運転も特別なものではなくなってきている。とはいえ肝心な運転免許の仕組みについては、意外と知られていないのかもしれない。そこで改めて障がい者の運転免許について確認しておきたい。
新規で取得する場合
そもそも障がい者が運転免許を取得するには、どんな手続きや条件が必要なのだろう。まずは身体障がい者が新規に運転免許を取得する場合について見ていこう。
基本的には健常者と同様に教習所などに通って技能、学科などの教習を受けて運転免許を取得するのが一般的なスタイルだ。ただし教習所に入所する前に、運転免許試験場や運転免許センターにある運転免許適正検査室(適正相談室窓口)を訪れ、免許取得に関する相談をする。
この運転免許適正検査室(適正相談室窓口)では、運転免許を取得しようとしている障がい者の適正検査を行なう。適正検査では欠格事項(道路交通法第88条)に該当するかどうかをチェックすることになる。
欠格事項とは道路交通法第88条で定められている内容で、具体的には「精神病者」「目が見えない者」「両上肢の肘関節以上を欠き、または超上肢の用をまったく廃した者」「下肢または体幹の機能に障害があって腰をかけていることができない者」などが定められている。
これらに該当する場合には不適格とされるが、それ以外の場合は適性検査によって「無条件適格」と「条件付き適格」に分けられる。条件付き適格の場合は障がいの内容に応じて免許種別、車両、補装具の仕様などの条件が付されることになる。
免許保有者が障がい者になった場合
次に障がい者が新規に運転免許を取得するのでは無く、もともと運転免許を持っていた人が身体障がい者になった場合の運転免許の取得方法を紹介しておこう。
こちらも基本的には適性検査を受ける必要がある。先に紹介した障がい者が運転免許を取得する場合と同じく「無条件適格」「条件付き適格」「不適格」に分けられ、無条件適格の場合にはそれまでと同じく運転が可能だ。
また条件付き適格となった場合は条件に合わせたクルマを運転することができる。不適格となった場合はそのままでは運転免許を取得できず、リハビリなどを行なった上であらためて適性検査を受けることになる。