この記事をまとめると
■小さな軽トラの荷台が快適空間に変身
■用途に合わせて脱着式と固定式を選べる
■豊富なオプション装備でさらに充実
軽トラックベースのキャンピングカー購入は使用人数を決める事がカギとなる
軽トラックの荷台を活用したパーツアレンジで、軽トラでも十分にキャンプを楽しめる、という提案がここ最近多く見られ、今まさに旬のスタイルとなりつつある。
ただ、本物のキャンピングカーが軽トラにもあるのはご存じだろうか。ここからは約30年の歴史を誇る、国内生産にこだわる老舗キャンピングカー製造メーカーの「ミスティック(山梨県)」のデモカーをベースに、その仕組みに関する超基本的なガイドをしていきます。
「たかが軽トラ」と思いナメながら中を覗くと驚愕の広さだった!
キャンピングカーはクルマと広々とした空間(キャンパー)がドッキングした、言わば「走る別荘」。家族や友達を乗せて日本全国あらゆる場所に行けるし、眠たくなったら広々としたベッドで快適に就寝できる。外でテントを張って寝るのも悪くはないが、もっと手軽にレジャーを楽しみたい人に好まれている。
ちょっとした贅沢気分が味わえるキャンピングカーだが、ダイナやライトエースといった大きな商用車をベースに作ると思っている人も多いだろう。もしくはヒッチメンバーでけん引する、キャンピングトレーラーを連想する人もいるはず。実はいま、軽トラックや軽1BOXで作る「軽キャンパー」が大人気。中でもキャビンより後方・上部を丸ごとキャンパーとして活用できる軽トラは、軽キャンベースにピッタリなのだ。
「どうせ中は狭いんじゃないの?」と思っている人、ちょっと待った! 写真はミスティックの軽トラキャンピングカーの「ミニポップ」というシリーズ。下はゆったり座れる対面シートで、いざとなればベッドに早変わり。さらに上段に引き出し式のベッドがあり、上下合わせて大人4人が足を伸ばして就寝できるのだ。
このように軽キャンパーにつきまとう「狭い」というネガな要素は、各キャンピング製造メーカーが工夫を凝らして解消している。軽さと強度を両立したボディーバス工法で作られたこの車両は、上段ベッドは引き出し式の「ポップアップルーフ」を採用してそれを解決、スライドさせると194×138センチのベッドスペースが登場する。
シェルの作り方はキャンピング製造メーカーによって異なり、ミスティックも軽トラをベースに様々なモデルを展開している。中でもポップアップ式ルーフを採用した「ミニポップシリーズ」は、同社イチ押しの車輌。というのもポップアップタイプの多くが片側しか上がらない仕様。デモカーのように前後共にルーフが持ち上がるタイプは相当まれ「というか、ウチだけだと思います」。
さらにキャンピングカーは内部の換気も重要。ちなみに「ミニポップ」はルーバータイプの網戸付きダイネットウインドウを採用。主に現行規格の軽トラックなら積載可能で、メンテナンスをしっかり行えば20年以上も使える構造とのこと。
荷台は脱着式? それとも固定式? 2種類の主要軽トラキャンピングカー
軽トラベースのキャンピングカーは大きく分けて2つあるという。ひとつはキャンパーそのものが脱着可能タイプで、もうひとつはキャビンの背面をくり抜き、キャンパーとのすき間を埋めてしまう、固定式タイプ。パッと見は同じに見えるが、実は全くの別モノだという。
まず脱着可能タイプはキャンパー部が「荷物扱い」になる。だから車検の時はキャンパーを外せば、ごく普通な4ナンバーの軽トラックとして車検をすんなり通すことができる。
一方キャンパーが固定式タイプは、8ナンバーのキャンピングタイプ。普通の軽トラの乗車人数は2人に対し、固定式タイプになると4人乗り登録に。そして脱着可能タイプだとできなかった、後部スペースへのウォークスルーも可能になる。そしてこれらはミスティックに限らず、軽トラをベースにしたキャンピングカー共通認識。
改めて脱着式と固定式の違いについてまとめてみた。
【脱着式キャンピングカーの特徴】
◆基本は積載物扱いに
◆必要な時に積み卸しが可能
◆ベース車の箱替えにも対応
◆ただし移動時の乗車人数は2名
【固定式キャンピングカーの特徴】
◆移動時も4人乗車OK
◆8ナンバー登録に
◆後部席への移動も可能
◆価格は脱着式より割高に
当たり前だが、キャンプには移動が伴う事がほとんど。何人でキャンプをして、その移動の際に「足」となるクルマは何台あるかが固定式か脱着式かの判断基準に。例えば夫婦2人の旅なら脱着式で問題ないし、家族4人で泊まるとなると、脱着式なら2名分の他の移動手段が必要なので、ない(1台移動の)場合は固定式一択。どういう目的で使うかを考慮して選びたい。