クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • シビックの灯は消えない? アメリカでの新型公開で「日本導入」を歴代モデルから考える
CLASSIC
share:

シビックの灯は消えない? アメリカでの新型公開で「日本導入」を歴代モデルから考える

投稿日:

TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、Honda

「北米偏重」というよりも日本人の心から離れてしまった7代目以降

 それまでのシビックの価値を大きく転換させたのは7代目である。オデッセイの成功でミニバンの価値が浸透したあと、2000年に登場した7代目シビックは、ミニバンのような平らな床構造により、室内空間を乗用車の常識からミニバン的な価値へ転換させたのであった。しかし、その価値は十分理解されないまま、ほぼ同時に発表されたフィットに人々の目は向いた。

 7代目シビックは小型車の新しい世界を拓いたが、初代のRS以来スポーティさも併せ持ったシビックの概念は、持ち合わせなかったからである。しかし、ワゴンのように背が高くない5ナンバーの乗用車でありながら、後席でも足元が広々として窮屈な思いにさせない室内空間の創造は、忘れることができない。

 7代目で販売面で躓いたシビックは、北米主体の商品企画を採り入れ、8代目から3ナンバー車になっていく。そして、日本人の心から潮が引くように去っていった。

 一方、北米におけるシビックへの期待は常に衰えることを知らない。そもそも、米国へ進出し、スーパーカブで人々を驚かせて以来、ホンダがまぎれもない賢いブランドなのである。シビック、インテグラ、アコードそれぞれに顧客があり、彼らはそれぞれに満足し、ホンダ車を順にステップアップしていくという考えはない。

 シビックを愛好する人は常に新しいシビックを求め、愛用し続けるのである。また米国では、4ドアセダンへの需要がまだ残されている。4ドアセダンがクルマの基本なのだ。今回、新型シビックのプロトタイプが4ドアセダンで発表されたことも、それを示している。なおかつ、現行がクーペのような姿であったのに対し、再びトランクリッドの存在を明らかにするような造形に変った。4ドア車に対する米国人の思考をそこに見ることができる。

 日本人は、江戸時代から流行を追うことが好きであり、それは今も変わらない。4ドアセダンが売れないのではなく、SUV(スポーツ多目的車)が流行っているだけのことであり、4ドアセダンを流行らせれば再び日本人もシビックを選ぶ時が来るだろう。あるいは、そもそも2ボックス車で誕生したシビックの思い出に浸る消費者には、セダンは受け入れがたいかもしれない。

 北米で先に公開されたシビックを国内で販売するとしても、4ドアセダンの価値を明確に訴求し、これからの時流であるといった関心を呼び覚まし、買いたくなる導入の仕方をしなければ、シビックの名前を思い出す人は国内に少ないかもしれない。

12
すべて表示

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS