【日産エルグランド/クエスト】
先日、マイナーチェンジを果たした日産のフラッグシップ・ミニバンであるエルグランド。通算3世代目となるエルグランドではあるが、右ハンドル圏の一部の国を除いて正規には輸出されておらず、ほぼ国内専売モデルという形となっていた。
しかし、2010年からは北米市場に向けて「クエスト」名義で販売されたモデルがエルグランドの兄弟車だったのである。なお、クエスト自体は4代目となるが、初代から3代目まで一環して前輪駆動のミニバンだったため、従来のエルグランドとの関連性は一切なかった。
満を持して北米市場に投入されたクエストは前後の意匠こそアメリカ人好みとも思えるものになっていたものの、サイドのシルエットはエルグランドにそっくりで、さすが兄弟車といったところ。
しかし、じつは全幅がアメリカ市場に合わせて120mmも拡大されているので、ただエルグランドを左ハンドルにして顔を変えただけのモデルというわけではないのである。
なお、クエストは一足先の2016年で北米市場から姿を消しているため、こちらも“かつて存在した”ということになっている。
【トヨタ・カローラ/ダイハツ・シャルマン】
圧倒的知名度を誇るスタンダードカーであるカローラの兄弟車としては、トヨタオート店(のちのネッツ店)で販売されていたスプリンターが知られるところであるが、ダイハツからもカローラのコンポーネンツを流用して生まれたセダン、シャルマンが販売されていた。
ただし他の兄弟車と異なる点として挙げられるのが、一世代古いカローラがベースとなっていたということ。1974年11月にデビューした初代シャルマンは、同時期に販売されていた3代目カローラではなく2代目が、1981年に登場した2代目シャルマンでは、FF化された5代目カローラではなく旧態依然となったFRレイアウトの4代目がベースとなっていたのである。
当時はトヨタとダイハツは現在のような子会社ではなく、業務提携の関係であったのだが、さすがに当時の稼ぎ頭のカローラをそのまま提供するというのは難しかったのだろうか。