ナンバー付きクルマでレースを始めよう
このように、様々なシリーズが登場してきたワンメイクレースですが、やがて新たなトレンドが登場してきます。その一つが2000年にスタートしたネッツカップ・ヴィッツレースで、より気楽にレースを楽しめるようナンバー付きのクルマでレースをするというもので、これは国内初の試みでした。
レースには、その前後で車検があって、レギュレーション(車両規則)に適合しているかどうかをチェックするのですが、ヴィッツレースの場合はさらに、一般道を走って帰ることから通常の…ロードゴーイングの車両で初年度登録から3年目、以後は2年おきに実施が義務付けられている…車検と同様の、厳しいチェックが行われていました。
そんなヴィッツレースの後継として、2021年からヤリスを使ったTOYOTA GAZOO Racing Yaris Cupが始まることが決定。詳細なレギュレーションは1月の発表を待つしかありませんが、ヤリスのナンバー付き車両で争われることが公式にアナウンスされていて、86/BRZと同時に年間のレースカレンダーが発表されています。
またマツダが協賛しているパーティレースも、ナンバー付きのロードスターNR-Aを使用したワンメイクレースとして注目を集めています。
さらに出場のハードルが低いことで言えば、ホンダが協賛し、軽乗用車のN-ONEのナンバー付き車両を使用するN-ONEオーナーズカップもその最右翼。ビギナーにとっては狙い目のシリーズかもしれません。
世界的ドライバーを輩出させる場でもある
ワンメイクレースの、もう一つの新しい流れは世界共通のレギュレーションで戦われるレースの国内開催です。ネッツカップ・ヴィッツレースに続いて2001年から始まったポルシェ・カレラ・カップ・ジャパンはその代表的なもので“国内最高峰のワンメイクレース”とか“最速のワンメイクレース”などと呼ばれ、ジェントルマンと呼ばれるハイアマチュアのドライバーに人気を呼んでいます。
使用する競技車両はポルシェ911 GT3 Cup、いわゆるカップカーで、2020年シーズンからはプロアマクラスとアマクラスの2クラス制が導入されています。
カップカーのパワーは460馬力で、並のレーシングカー以上ですから、ジェントルマンドライバーだけでなく、若手ドライバーがハイパワーを修練するためのカテゴリーとしても重要性を増してきていて、スカラシップも用意されています。こちらの2021年レースカレンダーは、近々発表の予定です。