ランドクルーザー80系(1989年-1997年)
■時代は高級路線
ときはバブル、空前の四駆ブーム。市場は4WDにもスタイリシュなデザイン、快適性、装備の充実を求めるようになった。ランドクルーザー60系の後続車、80系は1989年にデビューした。
4WDは主流であるスクエアなボディから角を落とした丸みをおびたソフトな印象のボディデザインになり、足回りは乗り心地を向上させるために、60系で見送られたコイルスプリング式が採用。エンジンはワゴンにガソリンの3F-E型、バンには新開発されたターボディーゼルの1HD-T型、ディーゼルの1HZが用意され、ランドクルーザー初のフルタイム4WDシステムもラインナップされた。
1992年のマイナーチェンジではワゴンモデルは排気量アップ、4バルブ化された1FZ‐FE型ガソリンエンジンを搭載し、オートマチックトランスミッションも機械式から電子制御化された。変速が滑らかになり高速からオフロードまで快適に走行できるようになる。またブレーキのディスクローターも15インチから16インチに大型化され制動力も強化された。
その後も安全性、環境性の改良を続け1998年に後続車100系にバトンを渡し生産を終了した。
脱実用車を進めた80系は保守的なランクルマニアからはランクルらしさが無くなったという声もあったが、高い走破性、耐久性が立証され、のちに最強のランドクルーザーと賞賛されるようになったのだ。