ランドクルーザー100系(1998年-2007年)
■ハイクラスの居住性を実現したSUV
ランドクルーザー100系は80系の後継車として1998年にデビューした。スクエアなフォルムに豪華な装備で高級化が加速し「オフロードのセルシオ」ともいわれた。100系一番のトピックはトヨタ・ジープより引き継がれてきたリジットアクスルと決別し、フロントに独立懸架を採用した。オフロードではストロークやトラクションがリジットアクスルと比べ不利な面もあるが、直進安定性、路面追従性、乗り心地、前モデル80系より切れ角が増し、最小回転半径が小さくなったこともあり、取り回しも向上した。
100系はランドクルーザー初のV8ガソリンエンジンが搭載されたモデルでもあり、2UZ‐FE型V8DOHC(4663cc)ガソリン、1HD‐FTE型直6SOHC(4163cc)ターボディーゼルが用意された。車高を油圧で調整するAHC(クティブハイトコントロールサスペンション)、ショックアブソーバーの減衰力を16段階に細かく制御するスカイフックTEMがオプションで選べ、100系はオフロードでの高い走破性、オンロードでは高級車と呼ぶにふさわしい快適な走りを高次元で実現した。まさにプレミアムSUVとなった。
また、海外モデルでは実績のある80系のシャシーを使い、フロント、リア共にリジットアクスル式サスペンション、パートタイム4WDを採用しているモデルが存在する。これは主要輸出国であるオーストラリアからの要望といわれており、広大な荒野の拡がるオーストラリアでは歴代のランドクルーザーの耐久性や悪路走破性が高く評価されており、独立懸架では不安が残る為であった。オーストラリアのほか、中東や国連などに輸出されたヘビーデューテイーモデルだ。