ランドクルーザー200系(2007年‐現在)
■最新電子デバイスを搭載した陸の巡洋艦
ランドクルーザー200系は2007年より生産がスタートした現行モデル。ステーションワゴン系ランドクルーザーでは、2020年現在、1967年から1980年まで13年間生産された50系と並ぶ息の長いモデルとなっている。
足回りで引き続き採用された独立懸架はトーションバースプリングからコイルスプリング式のハイマウント・ダブルウィッシュボーンサスペンションになり、ラダーフレームが強化。エンジンは2UZ-FE型V8DOHC(4663cc)ガソリンが採用されていたが、2012年、1UR-FE型V8DOHC(4608cc)ガソリンに変更された。
200系は電子デバイスが充実したモデルでもある。路面の状況やスピードを検知して、ショックアブソーバーが路面から侵入してくる振動を吸収する力を最適化するAVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)や、スタビライザーの効力を走行状況に応じて自動的にコントロールする油圧システムが備わった。これによりオンロードではカーブなどでスタビライザーを効かせ、優れたスタビリティを実現した。
一方、モーグルやロックなど起伏の激しいオフロードではスタビライザーの効力を無くしてストロークを確保するKDSS(キネティック ダイナミック サスペンション)。これはオフロード走行時に5つのモード(ROCK/ROCK&DIRT/MOGUL/LOOSE ROCK/MUD&SAND)から路面状況に適したものを選択すると、各モードに応じたブレーキ油圧制御に自動的に切り替わり、駆動力を4輪に最適に分配しトラクションを確保するシステム、マルチテレインセレクトなど、最新の技術が投入されたことで条件の悪い路面を走るドライバーの負担を軽減している。 ステーションワゴン系ランドクルーザーはブランドイメージを構築のため高級感と性能を向上させ続けてきた。モデルチェンジのたびに豪華装備が与えられ高級車指向が強くなってきているが、200系はダカールラリー2018 ペルー・ボリビア・アルゼンチンでは市販車ディーゼルクラス優勝。ガソリンクラス・ディーゼルクラスを合わせた市販車部門でも優勝に輝き、ランドクルーザーのアイデンティティともいえる耐久性や走破性はしっかりと受け継がれていることを証明した。