ランドクルーザーには使命がある
ランドクルーザーが失ってはいけないものがある。それは走破性と堅牢性だ。日本の都市部で生活しているとピンとこないが、世界には生活インフラが整っていない地域がまだまだ存在する。
開発を行っている現場、または町から遠くに住む人、通勤や生活の為に整備されていないラフロードを長距離運転しなければいけない人達がいる。すれ違う車もいない辺境の地で、もし乗っている車が破損や故障で走行不能に陥ると命を落すことさえある。オーストラリアのアウトバックでは奥地に行くほどランドクルーザーが目に留まるようになってくる。ランドクルーザーが増えるのか、いやそうではない。ランドクルーザーしかいなくなるのだ。
アウトバックの住民は言う「ランドクルーザーが無いと生活できなくなる」。
彼たちにとってランドクルーザーは、ただの車ではなく生きていく為に必要な信頼できる道具なのだ。日本で生活している私たちにとってはオーバースペックな車だが世界にはランドクルーザーの持つ走破性と堅牢性を必要としている人々がいるのだ。
日本でもランドクルーザーの堅牢性が証明された出来事がある。2019年10月に日本を襲った台風19号の大雨で川が氾濫し1台のランドクルーザーがルームミラーに水がとどくほど水没した。オーナーは半ば諦めていたが友人の協力もあり、室内に入り込んだ泥をかき出し水で洗い終えた。そして補機類を交換するとあっさりエンジンがかかったそうだ。エンジンにまで水はほとんど入っていなかったという。そのランドクルーザーは何事もなかったかのように今も家族を乗せドライブを楽しんでいる。
今回写真を提供して頂いた方々もランドクルーザーのオーナーが多く何十年も前のモデルに乗っている方もいる。彼らもまたランドクルーザーの持つ実直さ、世界観に魅了された人々であろう。
生産国日本に留まらず、世界で愛用されているランドクルーザー。世界全土でインフラが整い未舗装の道が無くなるまではランドクルーザーの使命は終わらない。今も地球のどこかで人々に寄り添い走っている。