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メルセデスに一切の手抜きなし! 「マルコポーロ」は「キャンピングカー」の常識を超えた一台だった

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: メルセデス・ベンツ日本、メルセデスVクラスカタログ、Daimler AG、妻谷裕二、Auto Messe Web編集部

「V220d マルコポーロ ホライゾン」の主な専用装備

➀ポップアップルーフ(写真は欧州仕様)
 ルーフ上にポップアップルーフを専用装備する事で、車内とは別に2名まで就寝使用可能なベッド、更にリーディングライトも備えており、快適な時間を過ごせる。また、ポップアップルーフを展開すると車内高が高くなるので、簡易の更衣室として利用可能。ポップアップルーフ

②夏の日差しからも守るサイドオーニング(写真は欧州仕様)
 ルーフ右側には、ロールアップ機能を備えたサイドオーニングを装着。オートキャンプ等で使用する事で日差しを避け快適に過ごせる。サイドオーニング

③専用の前席回転シート
 前席(運転席及び助手席)には最大230度回転する機能を採用し、前席を回転させる事で後席対面式のゆとりあるレイアウトが可能で、自由なシートアレンジで車内空間を最大限に活用できる。前席にある最大230度回転シート

④2列目シートの快適性を向上(写真は欧州仕様)
 2列目シートには、シートを温めるシートヒーターと身体と座面の間にこもった熱や湿気をシートに内蔵された複数のファンにより除去する事で、暑いシーズンの快適性を高めるシートベンチレーターを装備。マルコポーロ2列目シート

⑤フルフラット機能付きベンチシート
 3列目シートにはフルフラット機能を採用し、就寝時は最大3名まで使用可能。更に、アンダーシートボックスも備え足元に十分な収納スペースを確保し使い勝手を向上。3列目フルフラットシート

⑥視界が広い前席の運転席下にバッテリーを搭載
 運転席下にリレー式のサブバッテリーを搭載。エンジン停止時は自動でメインバッテリーと切り離されるため、バッテリー上がりの心配はなく安心して利用可能。エンジンを始動すると特別な操作を必要とする事なく充電を開始。マルコポーロ運転席

⑦プライバシーガラスとウインドウにカーテンを装備
 フロントと運転席、助手席を除く全ウンドウにプライバシーガラスとカーテンを装備。走行中に日差しが眩しい時や車中泊の時のプライバシーを確保。プライバシーガラスウインドウ

⑧メルセデス・ベンツ先進の安全装備;インテリジェントドライブ
「V220 d マルコポーロ ホライゾン」は安全支援システム「レーダーセーフティパッケージ」を標準装備。レーダーで先行車を検知する事で追突のリスクを低減する「アクティブブレーキアシスト」、最適な車間距離を自動で維持すると共に先行車が停止した場合は減速して停止する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(作動速度範囲:0~約200km/h)」、ドアミラーの死角範囲をレーダーによって危険性を警告する「ブラインドスポットアシスト」、車線逸脱をステアリングの微振動で警告する「レーンキーピングアシスト」等を装備。レーダーセーフティパッケージ標準装備 また、アクティブブレーキアシスト(歩行者検知機能付)は、先行車、前を横切る車両や合流してくる車両、歩行者、路上の物体等との衝突の危険性を感知すると、ディスプレイ表示や音でドライバーに警告。必要な場合は、システムが衝突を回避するために強力な制動力を発揮できるようブレーキ圧を高める(作動速度範囲は気象条件や道路状況により変動する事がある)。アクティブブレーキアシスト 同時に、前席のシートベルトの巻き上げや助手席のシートポジション修正等、衝突時に乗員の最適な姿勢を可能な限り確保する「プレセーフ」機能も作動する。ドライバーが反応しない場合、システムが衝突を避けられないと判断し、最大のブレーキ力で自動緊急ブレーキが作動し、衝突の回避もしくは被害を効果的にサポートする。

⑨LEDインテリジェントライトシステム&アダプティブハイビームアシスト・プラスを標準装備
 アダプティブハイビームモードでは、対向車や先行車を検知すると、他の車両にハイビームが当たらないよう自動的に照射範囲を制御し、常に最大の視界を確保する。また、道路標識等にハイビームが反射すると、自動的に減光し眩光を防止。LEDインテリジェントライトシステム&アダプティブハイビームアシスト・プラス

⑩メルセデス・ベンツの車造りの哲学である「安全性&快適性」を実現する装備を搭載
 長時間走行時のドライバーの疲労や眠気を70以上のパラメーターで検知して注意力低下を警告する「アテンションアシスト」、特筆は走行中の横風に対して車両片側のブレーキ制御を行うことでより安定した走行性をサポートする「クロスウンドウアシスト」を装備している。アテンションアシスト

⑪車両周囲の状況をモニターする「360度カメラシステム」
 自動操舵・ブレ-キ機能により縦列駐車と車庫入れをアシストする「アクティブパーキングアシスト」を採用。
アクティブパーキングアシスト

⑫前後バンパーに埋めこまれた超音波センサーで障害物との距離を感知して警告する「パークトロニック」
 ボディサイズの大きいVクラスの駐車や取り回しをサポートする標準装備。パークトロニック

「V220 d マルコポーロ ホライゾン」のパワートレイン&サスペンション

「V220 d マルコポーロ ホライゾン」は、2.2リッターDOHC直列4気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載している。そして、画期的な排出ガス浄化システム「Blue TEC」でクリーン性能を実現。ピエゾインジェクターを採用し最新世代のコモンレールシステムや大きさの異なる2基のターボチャージャーへの排気の流れを可変フラップにより制御することでターボラグを解消し必要なブースト圧を引き出す2ステージターボチャージャー等の先進テクノロジーで、最高出力163PS、最大トルク38.7kgf・mの力強い動力性能を発揮する。トランスミッションは電子制御7速AT「7G-TORONIC PLUS」を搭載。2.2リッターDOHC直列4気筒クリーンディーゼルエンジン

 そして駆動方式はメルセデス・ベンツ伝統のFR(フロントエンジン、リアドライブ)を採用。エンジンと前輪の位置が自由に決められるので、クラッシャブルゾーンや前輪の切れ角を充分確保でき、取り回し易さや安全性が向上している。また、乗車人数や積載量に関わらず駆動力が路面に伝わるため、走行安定性にも優れている。加えて、長いプロペラシャフトが加減速のショックや騒音、振動を低減するため、上質な乗り心地を楽しめる。AGILITY CONTROLサスペンション

 足回りには、人気の高い「AGILITY CONTROLサスペンション」を標準装備。フロントはマクファーソン式、リアに独立懸架式を搭載。ローダウンすると共にスタビライザーを採用する事で、ロールが減少し高い走行安定性を実現。さらに、走行状況に応じて減衰力を機械的に調整するセレクティブダンピングシステムを採用し、通常走行時には油圧抵抗を減少させて快適な乗り心地を、ハードなコーナリング時など急激な入力に対しては最大限の減衰力を発揮する。

 2020年5月21日に発表されたV220 d マルコポーロ ホライゾンのメーカー希望車両本体小売価格は938万円(税抜き車両本体価格852万7273円)。なお、価格は販売店独自に定めているので、詳細は各販売店に問い合わせて下さい。特に、2021年1月にメルセデス・ベンツの価格改定が予定されているので要注意だ。

未来のクルマの在り方の鍵を握る「マルコポーロ」

 地球に優しく、未来のクルマの在り方の鍵を握るキャピングカーは乗用車とは一線を画しているクルマである。乗用車は速く快適に目的地に到達できるかを追求し現在に至っているが、一方で排出ガスによる大気汚染や地球温暖化、エネルギー資源の課題に各メーカーが懸命に対応策を打ち出し、これらの課題が解決されつつあるが、現乗用車が移動を目的とするクルマである限り、環境問題が完全に解決したとは言い切れない。マルコポーロ・ホライゾン キャピングカーも自動車である限り、この問題と無関係であるとは言えない。しかし、キャピングカーは快適な移動より「快適な滞在」を目指したクルマである。

 燃料を消費して走り回るより、止まっている時に本領を発揮するクルマ。この意味で、キャピングカーはあらゆる自動車の中でも自然環境に優しい車、しかも自動車の環境問題を解決する鍵を持っていると言っても過言ではない。増して、今やEVをはじめとする電動化、自動運転の他に、シェアリング、コネクテッドという変化の波が起きており、今後キャンピングカーはその威力を大いに発揮すると言えるだろう。

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  • 2018年に日本市場に現れたマルコポーロ・ホライゾン
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  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 1949年生まれで幼少の頃から車に興味を持ち、40年間に亘りヤナセで販売促進・営業管理・教育訓練に従事。特にメルセデス・ベンツ輸入販売促進企画やセールスの経験を生かし、メーカーに基づいた日本版のカタログや販売教育資料等を制作。またメルセデス・ベンツの安全性を解説する独自の講演会も実施。趣味はクラシックカー、プラモデル、ドイツ語翻訳。現在は大阪日独協会会員。
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