「R’s Meeting 2020」注目車両
【BNR32/BCNR33/BNR34編】
一冊まるごとスカイラインGT-Rだけを紹介している雑誌「GT-Rマガジン」が主催する年に一度の恒例イベント「R’s Meeting」が今年も富士スピードウェイにて行なわれた。コロナ禍ということで今回はメーカー出展エリアを縮小したり、本コースを使用する催し物は見送られたが、それでも当日は全352台(!)のGT-Rオーナーがエントリー。ハコスカとケンメリの第一世代からR32〜34の第二世代、そして最新のR35と、会場には個性いっぱいのGT-Rであふれた。
現在発売中の本誌特別号「GT-R OWNERS FILE X(定価2000円+税)」では参加車両全台を掲載しているが、ここでは当サイトが注目したR32/33/34GT-Rをピックアップして紹介しよう。
玄人好みの魅せる足元【BNR32】
じつはこれが2台目のR32で、以前の車両は高速道路でクラッシュして廃車となってしまってとのこと。事故したタイミングも悪く、エンジンをオーバーホールして2,000kmしか走行していない状態だったとか……。幸いにもエンジン本体は無事だったため、主治医のショップに相談して、現在のボディに搭載させたという愛車である。
そんなYサンのR32は、ツウ好みの引き算的メイクで仕上げたエクステリアに、タービン交換、ボディ補強、アーム類を含めた足まわりと、総合的にポテンシャルアップ。お気に入りはノーマルフェンダーとの完璧なツライチを披露するガレージアクティブ別注のワーク・マイスターS1で、ブルーのボディカラーと黒系の深リムとの組み合わせが圧巻のオーラを放つ。
□BNR32 STD(1993年式)
□走行距離:20万km●ホイール:ワーク・マイスターS1(F/R19×10.5J)
●タイヤ:ダンロップ・ディレッツァ(265/30R19)
●タービン/インタークーラー/オイルクーラー:HKS
●マフラー:ST.MAY
●車高調:HKS
●サスペンションアーム類:クスコ、ニスモ
●ブレーキキャリパー(F):ブレンボ・フェラーリF40用
●ブレーキローター:ディクセル
●ボディ補強:Kansaiサービス・リフレッシュバー/1ロアブレースバー、ドゥーラック・リヤクロスバー
●内装:レナウン・ステアリング
当時の人気ブランドでカスタム【BNR32】
同じスカイラインでも、もともとはGTSに乗っていたTサン。それでも密かに抱いていたGT-Rへの憧れを諦められず、手に入れたのが現在の1台前に乗っていたBNR32の標準車だった。購入後はポテンシャルの高さに圧倒され、Rの魅力にどっぷりとハマる。そして遂にはR32最終型のV-specⅡへの乗り換えを決意し、現在に至っているわけだ。
ワンオーナー車だったこちらの個体を購入してからは、レジェンドドライバー長谷見 昌弘サンのファンだったこともありハセミモータースポーツのパーツを収集。ホイールやエアロパーツ、ペダル類には同ブランドのアイテムが装着されている。クルマ自体は4年前にシャシリフレッシュを済ませ、好調を維持。ドライブフィールはノーマルの状態が好みということで、今後は劣化が気になる部分を交換・補修しながら乗り続けていきたいと語ってくれた。
□BNR32 V-specⅡ(1994年式)
□走行距離:5万7000km●ホイール:ハセミモータースポーツ・プロトGT(F/R17×9.0J)
●タイヤ:ブリヂストン・ポテンザRE-71R(245/45R17)
●フロントパイプ/マフラー/インタークーラー:ニスモ
●サスペンション:ハセミモータースポーツ
●外装:ハセミモータースポーツ・各部エアロパーツ
●内装:ハセミモータースポーツ・ペダル
夫婦で大切にする貴重なコンプリートモデル【BNR32】
当時500台限定発売(?)と言われる希少なコンプリートモデル「トミーカイラR」。乗り始めて16年ほどになるというこちらのクルマは、GT-Rを探していたときに奥様が直感的に気に入って購入したという一台だ。以前は通勤にも使用していたそうだが、さすがに走行距離が伸びてしまうので現在は基本的に休日のみに絞ってドライブを楽しんでいる。
走行距離は現在約12万kmで、シートを交換した以外はなるべく当時のモノを使用するようにしているという。今後も維持していけるようにと、メンテナンス費用を奥様が貯金しているというのも素敵なお話。一度はクラッチ不具合が出て、ドライブ先から数百kmを3速ホールドで帰ってきたことも良い思い出だとか。貴重なクルマなのでこれからも大切に乗り続けてください。
□BNR32 Tommykaira R(1994年式)
□走行距離:12万4332km●ホイール:トミーカイラ(F/R17×9.0J)
●タイヤ:ブリヂストン・ポテンザS001(245/40R17)
●タービン/オイルクーラー/エアクリーナー/F-CON V Pro:HKS
●サスペンション:HKS
●クラッチ:ニスモ
●シート:トミーカイラ
サーキット仕様からジャンル変更【BCNR33】
このR33GT-Rに乗るまでは、KP61スターレットから始まりAE86やFC3Sなどいろいろな車種を乗り継いできたものの、どれも1〜3年で乗り換えてきたそうで……。そんなオーナーさんが30歳を目前に「次は一生飽きずに付き合っていけるクルマに乗ろう」と決めたのが、このクルマだった。
購入してから約15年ほどはサーキット走行を楽しんでおり、そこからここ数年間で現在のドレスアップ仕様へとリメイク。そのため足まわりは見栄え重視のローダウンセッティングとなるが、空力重視のエアロが付く外装やフルバケ&ロールケージが投入されたスパルタンな内装はサーキットを攻めていた頃のまま。逆にそれが現在のスタイリングに上手くマッチしている印象だ。
「SNSで世界中のGT-Rオーナーと交流できたことも貴重な財産で、R33は家族と同様に大切な存在です」とオーナーさん。現在は、間もなく16歳になる娘さんが免許を取得してこの33を運転してくれることが、一番の期待であり楽しみなのだとか。
□BCNR33 V-spec LM Limited(1996年式)
□走行距離:8万4000km●ホイール:ワーク・マイスターS1(F/R18×11.0J)
●タイヤ:ファルケン・アゼニスFK510(245/40R18)
●タービン/カム/インテークパイプ/エアクリーナー/フロントパイプ:HKS
●マフラー:KSPエンジニアリング
●ECU:ショップオリジナル
●インタークーラー:ARC
●オイルクーラー:グレッディ
●サージタンク:ニスモ
●イグニッションコイル:R35純正
●サスペンション:レーシングギア
●サスペンションアーム:イケヤフォーミュラ
●ブレーキキャリパー/パッド:エンドレス
●ブレーキローター:ディクセル
●クラッチ:ATSカーボン
●スタビライザー:ARC
ひとめ惚れしたボディカラー【BCNR33】
スカイラインに乗ると決めたのは、オーナーが小学生の頃。叔父のスカイラインジャパンに乗せてもらい、ターボ車の加速Gを初めて体験したことがきっかけだ。そしてご自身がクルマを買うタイミングになったときにBCNR33がデビューする。ミッドナイトパープルの33を見た瞬間、「これしかない!」と思い購入を決意したという。
それから24年間乗り続けてきたが、33Rに対する愛情が薄れたことは一度もナシ。現在の走行距離は16万4000kmになるが、8万7000kmで一度オーバーホールを施しており好調を維持。チューニング関連はひととおり完了しているので、今後は見栄えに重点を置きながら手を加えていく予定とのこと。
□BCNR33 STD(1996年式)
□走行距離:16万4000km●ホイール:ワーク・エモーションCRキワミ(F/R18×10.5J・12)
●タイヤ:ナンカン・NS-20(275/30R19)
●タービン/鍛造ピストン/インテークパイプ/エアクリーナ:HKS
●マフラー:グレッディ
●フロントパイプ:ショップオリジナル
●カム:東名パワード
●ECU:ショップオリジナル
●ラジエータ:KOYO
●インジェクター/燃料ポンプ:ニスモ
●サスペンション:HKS
●ブレーキパッド/ローター:ディクセル
●クラッチ:ニスモ
●外装:ノーブランド・カーボン製カナー、グレッディ・Sスカート、ニスモ・Rバンパー
●内装:ブリッド・シート、MOMO・ステアリング
免許取得と同時に手に入れた初の愛車【BNR34】
オーナーさんにとって初のマイカーであり、唯一の愛車でもある34GT-R。18歳で免許を取得した際に入手したクルマで、これまで14年間大切に乗り続けてきた。「伝統のRB26を搭載するベイサイドブルーのR34にどうしても乗りたくて、1年くらい探し続けて見つけました」という念願が叶った車両。注目はワンオフで完成させた前後のワイドフェンダーで、キッチリとローダウンされた車高とのコンビによって迫力のフォルムを披露する。新調したワーク・マイスターS1の深リム具合もアピール力抜群だ。
もちろんチューニング関連も抜かりなく、パワー系はHKSのGT-SSタービンを投入し、低回転からしっかり回るようにセットアップ。今後は内装のメイクにも挑戦してみたいそうで、密かにレザー素材への張り替えも検討中だ。実践したらまた見せてくださいね!
□BNR34 V-spec(2000年式)
□走行距離:8万km●ホイール:ワーク・マイスターS1(19×11.0J)
●タイヤ:ニットー・NT555 G2(275/30R19)
●タービン/レーシングサクション/F-CON V Pro/インタークーラー:HKS
●ラジエータ:KOYO
●オイルクーラー:グレッディ
●マフラー:ワンオフ
●フロントパイプ:フジツボ
●NVCS流用カム:ジュラテック・RB25用
●カム/エキマニ/タービンアウトレット:東名パワード
●サスペンション:326パワー+ロベルタカップ
●サスペンション・アーム類:イケヤフォーミュラ
●Fブレーキキャリパー:ブレンボ・フェラーリF50用純正
●ブレーキパッド:制動屋
●ブレーキローター(F/R):ジュラテック、ディクセル
●外装:エアロ・ニスモ
名作ホイールをあえて17インチで履きこなす【BNR34】
AE86トレノGTVやR32GTS-4を乗り継ぎ、’99年に新車で購入したIサンの34GT-R。友人のBNR32に刺激されたことをきっかけに、どうしてもGT-Rが欲しくなり手に入れたというわけだ。目を惹いたのは、納車間もない頃から履いているパナスポーツのホイール。クラシカルなデザイン自体が魅力的だが、サイズがあえて17インチというのも当時の空気感を残していて、今の時代には逆に新鮮。エンジンよりも先にホイールをオーバーホールしているというからも、お気に入り度合いが伝わるだろう。
車両は基本的にノーマル状態をキープしながら、吸排気系のライトチューンで乗りやすさを重視。ホイールだけでなく今度はエンジンのオーバーホールも検討しているそうで、そうなれば元気になったRB26とともに新たな気持ちで34Rとの至福の時間が過ごせそうですね。
□BNR34 STD(1999年式)
□走行距離:11万1000km●ホイール:パナスポーツレーシングG7 C5C(FR17×9.5J)
●タイヤ:ダンロップ・ディレッツァ
●エアクリーナー/フロントパイプ/マフラー:HKS
●ECU:アペックス
●インタークーラー:ARC
●オイルクーラー:不明
●サスペンション:HKS
●ブレーキローター/パッド:ディクセル
●クラッチ:HKS