日本導入を待てないなら、LM仕様を作ってみるのもアリ!
世界各国で展開するトヨタの高級車ブランド、レクサスはフラッグシップセダンのLSを筆頭にクーペやSUVなど様々なモデルをリリース。そのレクサスが、昨年初めてのミニバン「LM」を発表したことは大きな話題となった。 ベースはトヨタの30系アルファード&ヴェルファイアで、日本国内では高級ミニバンの地位を確立している。さらにLMにおいては複雑で立体的なスピンドルグリルや大胆に使われたメッキパーツなどレクサスに相応しい高級な要素を取り入れて、アル&ヴェルよりも押し出し感あふれるスタイリングに仕立てている。実際全長もアル&ヴェルより約10cm伸びているから、迫力は段違いである。 セダンよりも圧倒的に居住空間が広いため法人需要も見込めそうだが、このLMは中国や香港、インドなどを販売拠点としており、残念ながら現時点では日本市場に導入する予定はないという。最近はLMを逆輸入して日本で販売している業者も存在するが、輸送費用などのコストが上乗せされてしまうため現地で購入するよりも割高となる。 それなら日本で販売されている30系アルファードをベースにLMの純正部品を丸ごと一式移植して、「LM仕様」を作ってみるのはどうか。そんな難易度が高いワザにいち早く挑戦したのが、広島県の人気エアロパーツメーカー、エイムゲインだった。
灯火類の配線をクリアすれば、意外にもほぼすんなり移植可能!
アルファードをLM仕様にするには、まずLMの純正部品を用意しなければならない。ただ一般の人が部品を手に入れることは非常に困難。部品点数も多く、輸送費用も決して安くはない。「海外の業者さんとのパイプがないと難しいでしょうね」とは、エイムゲインの伊藤チーフ。同社のパーツは海外のカーショップでも販売されており、取引を重ねるうちに海外の業者と繋がりができたからこそ部品を調達することができたのだ。 揃えた純正部品はバンパーからボンネット、ヘッドライトにテールランプ、サイドパネルまで点数としてはかなりのもの。取り付けもかなりの時間を要するかと思ったが、パーツを固定するネジの位置はほぼアルファードと共通。新たにネジを開けたりする必要もなく、バンパーやボンネットを塗装した状態なら2~3人がかりで1日あればLM仕様が完成するとのこと。気になるのは灯火類の機能だが、エイムゲインによるとヘッドライトはカプラーオンでOK。テールランプは配線が異なるため、そっくり入れ替える必要があるそうだ。 完成したLM仕様を見てみると、まずフロントマスクはスピンドルグリルの存在感に驚かされる。縦と横の面積はかなり広く、クロームメッキのフィンが複雑に交差したインナーの形状が威圧的な表情を生み出している。ヘッドライトの形状もアルファードとは大きく異なり、全体的に鋭さを増してシャープな目つきとなっている。リアまわりもアルファードの意匠を流用することなく、バンパーやテールランプ、ガーニッシュなどはLM専用となる。 唯一取り付けていないのが、ドアのクロームメッキガーニッシュ。LMのドアはアルファードと同じように見えるが、ガーニッシュをキレイに収めるための凹みがあるため、アルファードのドアに付けるには板金加工が必要。もしくはLM純正のドアを手に入れる方法もあるが、コストを考えると板金した方が早いだろう。