テクニックも難しいキャンプギアも不要
「冬にアウトドアですか?」そんなハトが豆鉄砲くらったような顔をしているアナタ、キャンピングカーではそんな考えは改めた方が良いかもしれませんよ。確かに普通のキャンプでは、冬なんて正直トンでもなかったですね。押し寄せる寒波に、薄い布地のテントの中では命がけ。寝袋だけでは寒くて、奥歯がカスタネット状態でカタカタと・・・・・・睡眠どころではなくて寝不足に。
車中泊でも気がつくと外気温が下がっていて、夜中に寒くて目が醒めてしまう事があります。普通車はキャンピングカーとは違い、断熱材がたっぷりと入っている訳ではなく、FFヒーターなどもなく、ガラス窓なども一重で、マルチシェードなどがなければ、びっしり結露するくらいに冷たいのです。
「眠るんじゃない!パンパンパンッ!」と映画の一場面の様な状況にならないような装備と、そんな寒いところに行くんだ、という覚悟が必要です。仮にあまりに寒いので、エコに反してエンジンをかけてヒーターをつけても、雪が降ってきた場合は、積もった雪に排気管が塞がれて一酸化炭素中毒になる恐れがあります。
最近はRVパークの電源で電気ヒーターを使っている人がいますが、ただでも狭い車中で、毛布がヒーターの上に被さってしまう可能性もあります。それから皆さん、ご自身が思っているよりも、往々にして寝相は良くないので、大火傷する恐れもあります。
冬では、ご飯をつくるにも、水は手がスパッと切れる位に冷たいし、なんでこんなに辛い思いをしてまで・・・・・・と泣きべそをかきたくもなります。
普通のアウトドアでは上級者向けの冬シーズン。ところが、キャンカーなら、こんな苦労も、テクニックも難しいキャンプギアも不要です。まさに「寒くもなけきゃ睡眠不足にもならない! キャンピングカーは冬こそ大活躍という衝撃」という事なんです。
冬のキャンピングカーは思った以上に楽しい
冬のキャンピングカーが今、奥様方に大人気! その理由は「虫がいないから・・・」。まさに目からウロコ、耳からタラコ! なるほど納得です。なかには、冬は空いているからイイという人も。確かにシーズン中は激混みで、キャンプ場か難民キャンプか分からない状態ですが、冬ではあまり、そんな事はありませんし、雪が降れば、雪は音を吸収するので、とても静かです。
また夏の蒸し暑さは、じっと堪えても蒸し暑いですが、冬の寒さは身体を動かすだけでも暖まりますし、車内をFFヒーターなどで温かくすれば快適に寝られます。そして、冬だからこそできる素敵な事もあります。
例えば「焚き火」。パチパチと燃える炎を見ているだけでも飽きません。静かな寒い空気の中だから、暖かい焚き火が心地よく、素敵な時間が流れていくのでしょうね。焚火が終わったら、後は暖かい車内に戻って寝るだけです。
さらに、冬ならではの食材を用意してのキャンピングカーという楽しみもあります。カニに冬牡蠣、寒ぶり。鍋に、おでんに地酒で熱燗! 想像しただけでも、思わずゴックン。だから、キャンピングカーの様に、快適に過ごせる環境だったら、冬のアウトドアの方がいいという人が増えても不思議ではありません。今は、冬でも予約が取れないキャンプ場もあるとか・・・・・・。
もちろん、キャンピングカーならではの注意する事もあります。例えば、目的地までの事前アクセスチェック。途中の道路状態、その積雪状態や除雪状況、地形(キャンカーの苦手な傾斜や、積雪で狭くなった道幅など)の確認が必要です。現地に行ってから困り果てるのでは遅いですからね。
またディーゼル車の場合は、軽油に注意! 極寒地、マイナス2.5度以下では、軽油はシャーベット状になります。日本には5種類の軽油があるので、目的地近くのガソリンスタンドで寒冷地向けの軽油を扱っているかも事前確認が必要です。
押さえるべき点を押さえたら、冬のキャンピングカーは、思った以上に楽しいですし、非日常が楽しめる新体験でもあります。「冬にアウトドアですか?」だなんて、もう、そんな事は言わないですよね・・・・・・。