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軽自動車「最強」の呼び声も高いカプチーノ! あまりに「贅沢すぎる」中身とは

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、スズキ

身長180cmでも足下にも頭上にもゆとりあり。ドラポジもバッチリ決まる!

 ホイールベースが2060mmと短く、居住性に難ありと多くのメディアで記述されているのを見かけるが、幅は旧規格の1400mmなので多少窮屈ではあるけれど、前方向はロングノーズのおかげか、足下にゆとりがあり操作性もさほど違和感はなかった。

 室内高もシートが薄めなせいもあってか、180cmの筆者でもルーフに髪が当たることはなく、高めのサイドシルとセンタートンネルの間に沈み込むと「スポーツカーに乗っている」感覚を味合わせてくれ、心地よかった。

 トランクスペースはミニマムで、スーツケースなどは載らないが、1泊2日くらいの旅行の荷物程度は飲み込むことは可能。シート後ろにも空間が設けられ、前へのこぼれ防止のネットを使うなど工夫すれば多少の収納スペースを確保できると、使い勝手は思ったほど悪くない。ポジションが低いので、思ったよりもスピード感があり、疾走感は格別。またステアリング操作に対して、ダイレクトに反応してくれるので、面白いほどよく曲がる。

 反面、サスのストローク量が少なく、またホイールベースもトラッドも狭いため、サスペンションは硬め。ギャップなどの凹凸を受け止めきれず、車体が跳ねるので、長距離ドライブは苦手だ。カプチーノはワインディングやサーキットをみずすましのように走るのが一番似合っている。 また、ABCトリオの中で唯一輸出されているのも特徴。行く先であるイギリスでは今も熱狂的なファンクラブがあり、カプチーノはライトウェイトスポーツの聖地にも認められる存在なのである。

今だ現役マシンにも負けず劣らないパフォーマンスを発揮!

 1995年5月に最初で最後のマイナーチェンジを受け、エンジンを新世代のアルミ製K6A型直3DOHCターボ(64ps/10.5kg-m)を搭載し、パフォーマンスをアップ。さらに3速ATを追加するなど購入層の拡大を狙ったが、バブル崩壊でスポーツカーマーケットが低迷したこともあり、人気回復とはならなかった。そして、次期型は開発されることはなく、1997年12月に製造を中止。1998年10月の軽自動車規格変更をもって販売を終了した。

 バブルの恩恵を受けて誕生し、たぐいまれなる走行性能と贅沢な機構が盛り込まれたカプチーノはやはり歴代軽自動車で最高のスポーツモデルと断言できる。現在もアフターマーケットは活性化しており、200psオーバーにチューニングされたマシンが、サーキットで軽自動車最速級のタイムを記録するから、生産中止から20年以上が経過したにもかかわらず、今なおポテンシャルは高い。

 今はS660やコペン、アルトワークスといったスポーツモデルが復活を果たしており、ボディ剛性など大幅に進化した部分は多々あるが、トータルの魅力で、カプチーノを超えるクルマは登場していない。スズキ開発陣が本気で製作した操る楽しさが凝縮されたマイクロFR。復活の声は今なお高いが、現在の自動車電動化の流れを考えると再登場のかなり低いと言わざるをえない。。現オーナーは大切に乗り続けてほしい。

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