パルサー・ミラノX1
今は亡き日産のコンパクトカーであったパルサー。その2代目モデルがマイナーチェンジを受けた1984年に突如として設定されたグレードが「ミラノX1」だ。
そもそもパルサーは初代モデルが登場したときから「パルサー・ヨーロッパ」というコピーで欧州車を仮想ライバルとしてきた車種であり、2代目からは北米市場にはサニー、欧州市場にはパルサーと棲み分けがなされていただけにイタリアの都市名が付けられても不思議ではない。
しかし、このミラノにはもっと深い理由があった。それは、当時日産とアルファロメオが合弁会社を立ち上げ、N12パルサーをベースとした「アルファロメオ・アルナ」という車種を前年の83年にリリースしたことがきっかけであり、ミラノのグレード名はN13型にも引き継がれるほどの人気となった。
一方のアルナ自体は、日本の退屈なデザインのボディにアルファロメオの信頼性に欠けるエンジンを搭載したモデルと揶揄され、わずか4年で姿を消してしまった。