グレーゾーンな怪しいクルマを基本的に断る
先日、とあるドライビングスクールの手伝いをしていたとき、参加者のクルマにトラブルが発生。エンジンが吹けなくなり、エアフロ系(
自走できる状態だったので、サーキット近くにあるディーラーまで行ってみたところ、彼は入庫を断られてしまった! なぜかというと、タイヤがツライチで、微妙にフェンダーからはみ出ていると判断されたためだった。
彼の場合、普段はノーマルサイズのタイヤを履いているのに、この日はサーキット走行用に少し太いタイヤを履いてきたのがアダとなってしまった……。本件がどこのディーラーかは伏せておくが、後日、トヨタ、ホンダ、マツダなど他店にも聞いたところ、同じようなクルマが来店してきた場合、やはり入庫を断るだろうと答えてくれた。
というのも、ほとんどのディーラーは、地方運輸局長から指定自動車整備事業の指定をうけた「指定工場」なので、保安基準に適合しないクルマを整備したり、車検を通したと疑われると、最悪、営業停止などのペナルティを受ける可能性があるからだ。
ディーラーで入庫を断られるのは、上記のようにタイヤがフェンダーからはみ出ている場合の他に、次のようなケースが挙げられる。
◆ローダウンして最低地上高が90ミリ以下になっている
◆社外のマフラーに交換していて、音量規制を越えている
◆フロントガラスにステッカーが貼ってあったり、運転席・助手席にスモークフィルムが貼ってある
◆ボディサイズが変わるエアロパーツがついている
(保安基準では、全長±3センチ、全幅±2センチ、全高±4センチまではOK)
◆灯火類の改造(基本的に断られる)
これらは保安基準違反になるので、ディーラーへの入庫云々ではなく、そもそも公道を走ることが許されないわけだが、より大きな問題は、グレーゾーンな怪しいクルマを基本的に断る方向だというところ。
例えば、最低地上高がきちんと計れば92mmだったとしても、マフラーの音量がギリギリ規制値内であったとしても、それを確認するだけで手間=コストがかかり、一カ所怪しいクルマは他にも問題があるかもしれないので、敬遠されると思った方がいい。「一応合法なんだけど」と思っても、ディーラー側にもお客を選ぶ権利はある。
日頃から付き合いがあるところは別として、出先などで一見客のチューニングカーやカスタムカーは、トラブルが発生しても、ディーラーで見てもらえないリスクがあることを覚えておこう。