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スーパーGTやニュル24時間で「当たり前」のように使われる「GT3マシン」! そもそもどういうクルマ?

国際規定のレースカテゴリーとその仕様車

 例えばポルシェ911やGT-R NISMOなど、車名に「GT3」と付くモデルがある。またモータースポーツの世界でも、この「GT3」という言葉を耳にしたことがある人は多いかと思う。車名にしてもレースに関しても、何らかのカテゴリーや車両規定についての名称だと想像は付くかもしれないが、GT3とは一体どのようなことを表す単語なのか解説したい。

“市販車に近いレース専用モデル”

 レースシーンにおいてたびたび登場する「GT3」は2005年に誕生した国際規定である。当時のGTレースはGT1およびGT2が主流となっていたが、マシンの開発コストが高騰したことから“市販車に近いレース専用モデル”をコンセプトにFIAは同規定を採用。そのコンセプトが高く評価されたことにより、世界各国のレースシーンでGT3規定が採用されるようになった。

  事実、ニュルブルクリンク24時間レースやスパ・フランコルシャン24時間レースなどのビッグイベントに加えて、日本で最大の人気を誇るスーパーGTでもGT300クラスに同規定が採用されるほか、スーパー耐久でもGT3規定を対象にしたST-Xクラスが設定された。

 もともとGT3はジェントルマンドライバーのために設立された規定だが、数多くのメジャーレースで採用されたことから、カスタマードライバーのほか、プロドライバーを要するワークスチームが参入。その結果、GT3はレースシーンを代表するカテゴリーとして定着した。

各メーカーが「GT3」規定モデルを発売

 このGT3、最大の特徴が多彩な車種ラインナップで、数多くの自動車メーカーが同規定で開発したGT3仕様車をリリースしている。

 具体的には「メルセデスAMG GT3」「BMW M6 GT3」「ポルシェ911 GT3」「アウディR8 LMS」などのドイツメーカーのほか、「ランボルギーニ・ウラカンGT3」や「フェラーリ488 GT3」「アストンマーティン・ヴァンテージAMR GT3」「ベントレー・コンチネンタルGT3」など、そのほかのヨーロピアンブランドもGT3モデルをラインナップしている。

 もちろん、日本の自動車メーカーもGT3をリリースしており、「レクサスRC F GT3」や「ホンダNSX GT3」「ニッサンGT-R NISMO GT3」が国内外のレースシーンで活躍中だ。

 しかもGT3ではリザルトに応じて吸気リストリクターのサイズや最低重量、最低地上高などを変更する独自の性能調整が図られていることから、マシンの性能差が少なくなっていることも特徴。各シリーズともに特定のマシンが勝ち続けることはなく、各ラウンドで激しいバトルが展開されている。

「GT4」の注目度も上昇中

 とはいえGT3のマシンの販売価格は6000万円〜1億2000万円と言われており、そこにタイヤなどの消耗品、メカニックなどの人件費を加えたランニングコストを含めると、GT3に参戦するための予算は1億円を超える。

 それに加えて、マシンのパフォーマンス的にもジェントルマンドライバーには危険な領域のスピードレンジに達していることから、近年はGT3よりも安価で、パフォーマンス的にも市販モデルの延長線上にあるGT4をカスタマー用レースの主戦場に選ぶチームやドライバーも少なくはない。

 事実、近年は「アウディR8 LMS GT4」や「BMW M4 GT4」「メルセデスAMG GT4」がラインナップされるほか、トヨタも「GRスープラGT4」をラインナップするなど自動車メーカーも相次いでGT4モデルをラインナップ。

 その受け皿として、スーパー耐久でもGT4車両を対象にしたST-Zクラスが設定されるなど、国内外のシリーズでGT4規定が採用されているだけに今後はGT3と合わせてGT4も発展を続けていくことになるだろう。

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