復活そのものが「まれ」なクルマの「ネーミング」
クルマの名前はその車両のキャラクターのイメージを決定づける大切なもの。そのため、長く使われた車名はその名前を聞くだけでどんなクルマなのかパッとイメージすることができる。しかし、中には長く続いた車名の歴史に終止符を打ってしまったモデルも少なくない。
ほとんど車種の場合、一度消滅してしまった名前が復活することはないが、一部の車種で一定期間が経過したのちに復活したモデルが存在している。今回はそんな華々しく復活を果たした車名を持つモデルをご紹介しよう。
トヨタ・RAV4(1994〜2016/2018〜)
乗用車系のプラットホームを使用しながらSUVのスタイルを実現するという、今でいうクロスオーバーSUVの元祖とも言えるのが1994年に登場したRAV4だ。
カローラやセリカといった既存車種の構成部品を一部流用しながら、SUVらしいスタイルと乗用車ライクな乗り味を実現したRAV4は瞬く間に人気車種となったのである。
しかし、代を重ねるごとに軸足を北米市場に移して大型化。3代目モデルが2016年に終売すると、一旦日本市場からRAV4の名前は消えることになった。
そのため4代目RAV4は日本で販売されることはなかったのだが、2019年4月に5代目となったRAV4が再び日本で復活。クロスオーバーSUVブームとも相まって大ヒット車種となったのはご存知の通りである。
ホンダ・シャトル(1983〜1996/2011〜2016/2015〜)
もはやすっかり希少車種となってしまった5ナンバーサイズのステーションワゴン。シャトルを除くと旧型が併売されているトヨタのカローラフィールダーくらいとなってしまっている。
そんな貴重な5ナンバーサイズワゴンとして、安定した販売台数を記録しているホンダ シャトルだが、このネーミングは1983年に登場した3代目シビックの派生車種であるシビックシャトルから受け継がれた名前となっている。
当時のシビックシャトルは、シビックをベースとしながらAピラーの角度を高めて室内空間を稼ぐスタイルとなっており、トールワゴンの元祖とも言える背高スタイルが特徴的だった。
シビックシャトル自体は2世代のみ、1996年をもって終売してしまったが、2011年にフィットシャトルとして復活。そして2015年からはシャトルとして販売がなされている。