マツダにはロータリー象徴“▽”プラス“〇”も
世界で唯一、ロータリーエンジン(RE)の量産化を果たしたマツダ(当時は東洋工業)はR360クーペがデビューして以降〇の中に小文字のmがデザインされたエンブレム、通称“マルエム”マークを使用していました。
ただし世界初の量産2ローターのREを搭載したコスモスポーツでは“マルエム”マークがREを象徴するローターをかたどった▽の中に収められている、特別なエンブレムが使用されていました。
これはコスモスポーツに続いて発売されたファミリア・ロータリークーペなどにも継承されています。
REバイクの関わりか?スズキにもあった“▽”
ところが、これは以前にも紹介しましたが、国内メーカーで唯一、REを搭載したバイクをリリース(輸出専用)したスズキの不思議です。
スズキは、バイクのRE-5だけでなくクルマのエンブレムにも、ローターをかたどった▽の中にスズキのSをデザインしたエンブレムを使用していたことがあるのですが、これは、あまり知られていません。
浜松にあるスズキ歴史館で訊ねたこともありましたが、それに関してははっきりした資料が残っていないとのこと。
フロンテ・ロータリーが存在していたら…。クルマ好きにとっては、そう考えただけでもワクワクします。次の初夢のテーマに取っておくことにしましょうか。
大阪発の象徴、ダイハツの大阪城エンブレム
一方、一風変わったエンブレムといえば、やはりクラシックな時代のダイハツです。ダイハツは、1907年に大阪で設立された発動機製造株式会社を源流としていて、やがて似たような名前の同業他社が誕生してくるようになったとき、大阪の発動機製造、を略して大発とし、転じてダイハツと社名を変更しています。戦前から3輪の普通トラックを製造してきましたが、戦後は3輪軽トラックのミゼットが大ヒット。自動車メーカーとしての基盤を確立させています。
そんなダイハツは戦後大小の3輪トラックで欧文のDaihatsuやカタカナのダイハツをデザインしたエンブレムを使用していましたが、3輪の普通トラックでは大阪城をモチーフにしたエンブレムも使用していました。エンブレムのサイズは小さいのですが、実物を見るとその存在感は圧倒的です。
ところで、現在ではトヨタを筆頭にダイハツ、SUBARU、そして日野の4メーカーが社名の頭文字(SUBARUでは六連星)を楕円サークルで囲んだエンブレムを採用しています。これはトヨタ・グループ各社(SUBARUをそう呼ぶのが相応しいかは別にして)が、OEM商品を生産する際に、エンブレムを交換し易いから、というのも理由の一つになっているんじゃないか。などと穿った見方をしながら、お正月を過ごしてしまいました。