長く付き合うなら、高くても上質な中古車を選ぶべし
20系ソアラは今でもファンが多い名車。それだけに走行距離が20万キロ近くでも、外装が劣化していたり内装がボロボロでも、市場では一定の値が付けられている。中古車相場はピンキリで、80~350万円と幅広い(筆者調べ)。
まだ2ケタ台で出回っているタマがあるのは意外だが、写真ではキレイに見えても実際は各部の劣化が激しかったりする。そうなると「美車」のクオリティに持っていくには相当手を入れないとならず、かえってお金がかかることも。安いのはそれなりの理由があるのだ。
中古車のセオリー通り低走行で各部の劣化が少ない個体は高値が付いているが、さらにエアロパーツやサンルーフなど高価な純正オプションが付いていると価値が上乗せされる。走りを楽しめるのはもちろん、オートマと比べて修理にかかる費用が少ない5速マニュアルミッションも高値で推移している。
流通しているのは1988年1月以降の後期型が圧倒的に多い。排気量で見ると2リッターの方が多く出回っており、その中でもツインターボが断トツで人気。カラーリングは当時もバカ売れした単色のホワイトやパールツートンが流通している個体の大半を占めているが、ネオクラシックカーに強い某中古車店に聞くと、「密かに黒ツートンも人気です。ツヤがない白いボディの個体を買ってわざわざ塗り直した方もいます」とのこと。
30年以上前に販売されたクルマだけあり、個体の程度は1台1台異なる。高値の車両はヤレなどをキッチリ仕上げて販売されているケースが多いが、そうでない場合はちょっとくたびれた感がある。例えば外装は塗装のヤレ。特に目にするのがドアミラーの付け根など樹脂部品の塗装剥がれ。塗装がパリパリに割れて地が出ている個体をよく目にする。
内装に関してはダッシュボードが直射日光で変形して浮き、グローブボックスやセンターパネルのすき間が広がっていることが多い。ダッシュボードの上部が割れて表面がめくれ上がり、内部のウレタンが露出しているひどいケースもある。またサイドブレーキのブーツやアームレストの擦れも多く見られる。外装に関しては再塗装などの補修でまだリカバリーできる余地があるが、内装に関してはほとんどの部品が販売を終了しているため、「新品に交換すればいいや」という安易な考えは通用しない。予算に余裕があるなら、各部の劣化が少ない個体を選びたい。
機関に関しては、ショップまたは前オーナーの手でしっかりメンテナンスされているかをチェックしたい。年式を考えると油脂類のトラブルが多く、シール類の劣化によるオイル漏れやターボ車にありがちなオイル下がりによる白煙などのトラブルが見られる。またホース類や足まわりのブッシュなどゴム類の劣化も避けられないので、長く乗りたいならそれらを交換してリフレッシュしておこう。足まわりで言えば3リッターの一部グレードに採用された電子制御エアサスペンションはエアバッグが劣化して空気が抜けて見た目がノーサス状態になっていたり、センサーなどの不具合で動作が不安定な個体は避けたい。ハイテクな装備を数多く装備したクルマほど、故障する可能性が高いことを頭に入れておこう。