ガルウイングドアやシザードア以外にも「変な開き方をするドア」がある
「変なドアの開き方」と聞いて真っ先に思い出すのは「ランボルギーニ・カウンタック」や国産車なら「トヨタ・セラ」、古くは「メルセデス・ベンツ300SL」などの跳ね上がるドアではないだろうか。これらは、一概に「ガルウィングドア」と言ってしまいそうだが、厳密にはカウンタックは「シザースドア」、セラは「バタフライドア」で、屋根部にヒンジを持つ300SLのみがガルウィングドアに該当する。
でも古今東西には、さらに変な開き方をするドアを持つクルマがある。今回は、その中から厳選して3種類をお送りしたい。
1)逆シザースドア!? 分類が難しい「ライカン・ハイパースポーツ」
2012年にレバノンに設立、現在はドバイに本社を置く「Wモータース」が、2013年に発表した「ハイパースポーツ」は、760馬力を誇るRUF製のフラット6+ツインターボをミッドに積むスーパースポーツである。製造は限定数台、日本円にして3億円オーバーという価格など、いろいろと型破りなクルマなのだが、ドアの開き方まで変わっている。
形式的にはカウンタックなどと同じように、ヒンジを車体側に持ち、上に跳ね上がる「シザースドア」ではあるのだが、ライカン・スーパースポーツでは、そのヒンジが後ろ側にあるのだ。しかも、カウンタックのように垂直に跳ね上がらない。「逆シザースドア」か、後ろヒンジのドアである「スーサイドドア」と合体した「スーサイド・シザースドア」とでも呼べばいいのか……。
ちなみに、シザースドアとバタフライドアの違いは、ヒンジの位置と開き方だ。後者では、ヒンジが屋根側にもあって、2つの支点を用いて広く跳ね上がるので見分けがつく。