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サーキット走行は最後まで気を抜けない! 愛車を守る「チェッカー後」の儀式とは

インラップの「走行風」で車体全体を冷ますのが大事

 サーキット走行会に参加して、楽しく走ったあとにチェッカーフラッグ。ここで「ふ~、終わった終わった」と一息つくのはちょっと早い。チェッカーを受けてからピットインするまでのインラップはけっこう重要だ。この1周はエンジン、ブレーキ、タイヤなどを冷やす重要なラップで、通常より1速か2速高いギアを使ってエンジンの回転数を抑えながら、かつそれなりに速いペースで走るのがコツ。

 熱くなったエンジン、ブレーキ、タイヤなどを冷ますには、風をしっかり当てることが重要。なのでチェッカーが出たからといって、ドーンとペースダウンして、ゆっくり走るのは逆効果だ。ハイペースをキープしながら高いギアで回転数を下げ、コーナー手前では早めにアクセルを戻してブレーキの負担を減らし、できるだけ「走行風」で車体全体を冷ますのが大事。

 ピットインしてパドックに戻ってきても、エンジンはすぐに止めたりせず、ボンネットを開けてエンジンルームの熱気を逃がそう。エンジンをかけたままにすることでオイルも循環し続けるし、冷却ファンも回り続けるためだ。

 またLLC(クーラント)のリザーバータンクがボコボコいってたりするのはいいとして、意外にクラッチフルードなども熱くなって気泡が混じり、クラッチの切れが悪くなることもある。走行直後のボンネットオープンだけは忘れないようにしたい。

 ブレーキもかなり高温になるので、煙が出て心配になるかもしれないが、間違っても水などをかけるのは禁物。水で急速に冷やされると、ローターが割れたりするので気をつけよう。万が一、漏れたフルードなどに引火して火が出たときは、水ではなくサーキットに備え付けの消火器で消すこと(自分でクルマ用の消化器を持参しておくと安心)。

 もし可能であれば、ピットインしてすぐにクルマを止めず、サーキットの敷地内の外周路をゆっくり走り続けたり、サーキットの外の一般道をゆっくり走って各部を冷ますことができたら理想的。

 タイヤについては、わざわざ冷ます作業まではいらないが、インラップのとき、走るラインを考えないと、マーブル(タイヤカス)をたくさんタイヤの接地面にくっつけてしまうので要注意。

 走行直後はドライバー自身も心拍数が上がって、身体が熱くなり、クールダウンが必要になるが、熱くなったクルマの各部を労るひと手間も大切にしよう。

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