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あらゆるアウトドアで役に立つ! 時に命をも救う「ロープの結び方」11種

正しい結び方でキャンプの設営・撤収もスマートに

 何かと紐を使用したり、物と物を結んだりする機会が多いアウトドアレジャー。こと新たに「正しいロープワークを覚えよう」などと言うと、何やら面倒臭いルールに沿って知恵の輪のように難解な結び方を練習しなければならないのかと、始める前から少し敬遠してしまうかもしれません。

 ソロツーリング、ソロキャンプだけなら自己流のロープの張り方で何ら問題はないでしょう。長年にわたり身に付けた自分流の方が、テントやタープの設営も撤去もスムーズに行なえるはずですから。ただこれが仲間とのキャンプだったりすると、撤収の時に変な結び方のロープをほどくのに手こずることが結構あります。スマートにキャンプを楽しむためにも、ここはひとつ基本的な結び方だけでも覚えてみてはどうでしょうか。

基本の結び方

 ロープワークの基本は「結びやすい」「強度がある」「ほどきやすい」こと、と言われています。 基本的な結びの「本結び(固結び)」がありますが、簡単にほどけなくてイライラした経験はありませんか?

 「本結び(固結び)」は結びやすくて強度がありますが、ほどきにくいという点で使う場面が限られてしまうのです。もし「はな結び」か「片はな結び」が使えたらサッとほどくことができます。

 ちなみに固く結べる「本結び」と、結ぶ手順の似ている「たて結び」を比べてみると結びの強度の違いがよくわかります。「たて結び」にしたロープを左右に引くと、摩擦抵抗が小さくてスルスルと滑りながらほどけてしまいます。

「止める」結び方

 「デート中にシャツのボタンが取れかかっているのを見た彼女が、バッグから裁縫セットを取り出して縫ってくれたのがプロポーズのきっかけでした」なんて実際にあるような、ないような話を耳にすることがありますが、いつもバッグの中に裁縫セットを用意している女性は相当ポイントが高いと思います。針に糸を通して、糸の端を指先でクルリと「玉結び」にする手際のよさを見たら惚れ直すのも当然でしょう。

 この「玉結び」をロープワークでは「止め結び」と言います。

 ロープの端にひとつコブを結ぶだけなので誰でも日常的に無意識でやっている結びです。「止め結び」ができても誰も惚れてはくれませんが、ロープが手から逃げない、ジャージやフードの紐穴のストッパー役、自在金具や滑車などからのロープの抜け止め、ロープのほつれ止めなど結構役に立つ結びです。

 「止め結び」もきつく結ぶとほどきにくくなるので、状況に応じて「固め止め結び」や「8の字結び」を使ってみるのもいいでしょう。コブが大きくなる分、ストッパー役として重宝します。

 ロープの両端のほつれを止めるには「端止め」をする必要があります。化学繊維のロープなら切り口をライターの火で溶かして固めます。ゴム系のボンドで固めてしまったり、ビニールテープを巻くのも手軽な方法です。

 太いロープや自然繊維のロープの場合は、タコ糸などを巻き付ける「からみ止め」が効果的です。 これは釣り針にテグスを結ぶときの「外がけ結び」と同じ結び方ですが、登山用のロープみたいに本格的なカッコいい「端止め」になります。

 「ロープワーク」などというと専門的な技法みたいで敷居の高さを感じますが、いつもやっている靴ひもを結ぶことや、ジャージのヒモの抜け止めのコブ作りなども「ロープワーク」のひとつだったのかと思うと、気軽にマスターできそうな気になりませんか? 次回は「ロープをモノに結ぶ」場面で活躍する代表的な「結び」をご紹介したいと思います。

ILLUST:阿部忠雄

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