見た目遊んでいても中身は本気! 細部にまでデザイナーの想いが込められる
オンライン版東京オートサロン「バーチャルオートサロン」内にブースを出展、デモカーを展示中のダイハツ。AMWではタフトベースの「クロスフィールドVer.」、コペンベースの「スパイダーVer.」、ハイゼットトラックベースの「キャンパーVer.」をこれまで紹介してきたが、今回は「キャンパーVer.」同じ(といってもその様相は相当異なる)ハイゼットトラックベースの「スポルツァVer.」をご紹介。
軽トラに込める新たなライフスタイルの提案
事情を知っている人、もしくは同じクルマに乗っている人でなければ、ダイハツの軽トラ「ハイゼットトラックジャンボ」がベースだと気付かないだろう。何よりあるべき屋根(そして窓)がないからだ。
ダイハツはここ数年、いわゆる「自動車ショー」へブース展開する際「ダイハツヴィレッジ」というテーマを掲げ、それに準じたコンセプトカーを展示している。その世界観の中で軽トラックは「地域のインフラ」「はたらくクルマ」として、重要な役割を担っているという。
その具体的な役割は「農家の仕事車」。それなら現実世界でも全く同じだが、農業にも顕在している高齢化問題を踏まえ「明るい農村の未来のような、若い方がクルマを介して“楽しいな”と思って貰える農業のあり方を考えました」とは、コンセプトカー製作を統括したダイハツのデザイナー。
「スポルツァVer.は【平日果樹園・週末レーサー】がテーマ。平日はハイゼットトラックと共にヴィレッジ内の果樹園で働き、週末は他の仲間とハイゼットで草レースを楽しむ。実際に果樹園では効率を考え、あえて屋根を切るトラックもいるんです。じゃあ、そのままのスタイルで週末はレースに参加するってのも面白いなと。それで(デモカーの)絵を描いてみたんです」。
そんな発想が込められていた「スポルツァVer.」。屋根切り仲間(?)としてコペン「スパイダーVer.」もダイハツは作ったが、コペンは走り(空気抵抗)を主眼にした屋根切り(というか窓切り)、ハイゼットは農作業ありきの屋根切りで、意匠こそ似ているものの狙いは全く違うというワケだ。
そんなハイゼットに与えられたショーネームは「ラグナ青果」。「青果」は既出の通り果樹園農家を、「ラグナ」は週末にサーキット走行を楽しむというテーマに則り、「コークスクリュー」と呼ばれるS字シケインでお馴染みアメリカのサーキット「ラグナ・セカ」から拝借。
まさに洒落の効いた(?)ネーミングである。