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「在庫のみ」だから買うなら速攻! ロードスターの「楽しさ」にサソリの「毒」が入ったアバルト124スパイダー

アバルトブランドだがマツダが生産供給

 日本ではフィアットのスポーツブランドであるアバルトで販売されている「124スパイダー」。すでに生産は終了しており、現在新車が買えるのは在庫のみとなっている。特異な存在でもあっただけに、これを機に124スパイダーというクルマを振り返ってみよう。

イタリアンパッションとロードスターがスポーツカーで意気投合

 1970年代まで、フィアットにはCセグメントに属する「124」というFRの実用車があった。4ドアセダンでスタートした124は、その後ステーションワゴンなどのバリエーションが追加されいくが、そのオープンボディタイプが124スパイダーの初代モデルである。

 124スパイダーは1985年まで生産され絶版となるのだが2013年、「2015年からマツダがロードスターをベースとした後輪駆動のオープンカーをフィアットグループに供給する」という提携が結ばれ、そういった背景から生まれたのが現在の124スパイダーである。

 なおこの提携は当初マツダからアルファロメオへの供給というものだったが、供給先はアバルトを含むフィアットに変更された。

 現在の124スパイダーは現行ロードスターをベースに初代124スパイダーを思い出せるエクステリアとしている。エンジンもまた、フィアット製の1.4リッターターボにするなどした成り立ちであり、これはBMW Z4とトヨタスープラの現行モデルの関係に近いと言えるかもしれない。

 海外向けの124スパイダーにはスタンダードなフィアット版と、よりスポーティなアバルト版のふたつがあるが、日本で販売されたのはアバルト版のみである。

ロードスターの兄弟車「124スパイダー」はターボ

 124スパイダーのベースとなった現行ロードスターの日本仕様には、1.5リッターガソリンNAのソフトトップ、2リッターガソリンNAでメタル製タルガトップのふたつがあるが、いずれもNAエンジンの味にこだわっている。だが124スパイダーは軽快なロードスターソフトトップをセレクトして、ターボエンジンを搭載して登場したのだ。

 これにより124スパイダーは「ターボ車らしいピリリとした速さや雰囲気」が満ち満ちたものに仕上げられている。ロードスターにはラグジュアリーな部分を兼ね備えた「ロードスターRF」が追加となり選択肢が増えたが、今までのロードスターとは違う魅力を持つ124スパイダーの登場により、ロードスターファミリーにおける選択肢がさらに増えた点は歓迎できることだった。

 冒頭に書いたように124スパイダーの生産は終了しているが、日本では在庫に限られるにせよ新車が買えるようなので(注:執筆時の1月中旬現在)、欲しい人は一刻も早く自分のものにすることを勧めたい。

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