【第3位:日産・パルサーGTi-R】
いよいよトップ3だが、まず第3位には日産・パルサーGTi-R(1990年)を挙げることにする。N14型パルサーのターボ4WDモデルで、搭載する2リッターSR20DET型エンジンは230psを発生。U12型ブルーバードSSS-Rで開発された電子制御による4WDシステム、ATTESAを搭載。文句なく日本車最強のハッチバックで、動力性能は他の性能自慢のホットハッチと較べても一段抜け出る存在だった。
しかし、重厚すぎる(?)走り味は、ある意味、ホットハッチの身上である軽快性とは少々異なるものだった。断トツの性能を加味して第3位に。
【第2位:マツダ・ファミリアGT-X(BG型)】
第2位には、パルサーGTi-Rと同じターボ4WDながら、軽快性を残した素直なハンドリング、ターボ過給による優れたパワー性能を持つことで、1989年にデビューしたファミリアGT-X(BG型)をランクさせた。ターボ4WDの先駆けとなったBF型ファミリアターボ4WDからの正常進化版で、180psの1.8リッターBP型ターボエンジンを搭載し、ハンドリングのよさが光るモデルだった。この車両をベースに、グループA規定のWRC参戦も計画。その後のGT-R(210ps)に発展し、パワー、トラクション(4WD)、ハンドリングを備えたホットハッチとして高く評価できるモデルだった。
【第1位:ホンダ・シビックSi(AT型)】
そして、栄えある1位にはホンダ・シビックSi(AT型)を選んだ。高性能ハッチバック戦線にシティで名乗りを挙げたホンダだったが、走りのバランス(総合性能)を考えると、もっとシャシーキャパシティの大きな車両が必要不可欠だった。ホンダは、1983年にフルチェンジした3代目シビックに、翌年、自然吸気の1.6リッター4バルブDOHCエンジン、ZC型(130ps)を開発して搭載。
これがシビックSiで、高回転高出力型を身上としてきた歴代ホンダ高性能エンジン群にあって、異様とも思えるロングストローク型を採用。しかし、ハイエンドまでトルクの落ち込みを感じさせず、むしろショートストロク型で高回転域を狙った他社のDOHCよりはるかによく回るエンジンだった。もちろん、パンチ力はクラス随一。ワイド&ローのシビックの車体と合わせ、ワインディングを矢のごとく走り抜けた。まさにホットハッチ、走りの楽しさを堪能させてくれるモデルだった。