スポーツ走行を楽しめるタイヤの条件とその使い方
サーキットでもストリートでも使えるタイヤとはどんなタイヤか? それはどんなスタンスでサーキット走行を楽しむかでも選ぶタイヤが変わってきます。例えばフェラーリなどハイパフォーマンスなクルマに乗っていて、たまに数周サーキットを走りたいという程度でしたら、それら車両の純正タイヤにも採用されている「ウルトラハイパフォーマンスタイヤ」でも、(当然走り方にもよるが)それほどタイヤを傷めることなくサーキットのスポーティドライブを楽しむことができます。
例えば欧州ブランドだとミシュラン・パイロットスポーツ4S、コンチネンタル・スポーツコンタクト6、ピレリP-ZERO、グッドイヤー・イーグルF1等がそれに当たります。これらは後述する「国産ハイグリップ系スポーツタイヤ」と言われるモデルほどの強烈なグリップ性能ではありませんが、タイヤケース(骨格)の剛性が高く、コンパウンドグリップもレベルの高いものが採用されています。
よってこれら欧州車のハイパフォーマンスカーに標準装着されているタイヤなら、たしなむ程度のサーキット走行にも十分応えてくれると思います。
国産「ハイグリップ系スポーツタイヤ」御三家+1種
続いて「国産ハイグリップ系スポーツタイヤ」に目を向けていきましょう。現在売られているスポーツタイヤでいうと、ブリヂストン・ポテンザ71RS、ヨコハマ・ネオバAD08R、ダンロップ・ディレッツァZⅢという御三家スポーツタイヤに加えて、トーヨー・プロクセスR1Rの4銘柄を、お薦めのスポーツタイヤとして挙げておきたいと思います。
この4銘柄のスポーツタイヤは、いずれもグリップが強い強力なので、スポーツサスキットなどを組んだうえで装着するのがいいと思います。ガチガチにスパルタンなサスキットでなくても、スポーツドライビングを謳ったものであれば十分タイヤの性能も引き出せると思います。
ハイグリップ系タイヤはタイヤを暖めてから性能発揮
ハイグリップ系スポーツタイヤを履くときの注意点として覚えておいてほしいのは、スポーツ性が高いほど温度依存性が高い傾向にあるということです。
つまりタイヤをある程度暖めた状態で本来のグリップを発揮するので、タイヤが冷えているとき、一般道では冷たい雨が降っているときなどは、タイヤ本来のグリップ性能は期待できません。表記されていないタイヤもありますが、ポテンザRE71RSの地文グレーディングは転がり抵抗C、ウエットグリップbとなっています。ウエットグリップはAじゃないの? とも思われるかもしれませんが、発熱してタイヤのグリップを発揮するタイプのハイグリップ系スポーツタイヤは、公表していない銘柄もありますが、ポテンザに限らず押しなべてこうした傾向にあります。