ボルクレーシングの2021年新作第一弾は 人気モデルを進化させた珠玉の3本
レイズのフラッグシップブランド「ボルクレーシング」から2021年ニューモデルの第一弾がリリースされた。圧倒的な剛性、高強度と相反する軽量化の実現。機能を高めると同時に、美しさも追求したフォルム。これまで実現しなかったカラーリング。新鮮な驚きを与えてくれる3作は、いずれもボルクならではの技術を駆使したこだわりが満載だ。
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【GT090】深みのあるシルバーと20インチが新登場
レースホイールに長年携わってきたボルクレーシングらしい、研ぎ澄まされた機能美。「FIA GT3クラス」用ホイールをベースに開発した「GT090」は、美しさと強さを兼ね備えた9本スポークが魅力である。
応力分散を考慮しつつ、極限までスポークは細く。更にはスポーク側面にはウェイトレスホールを設け、高剛性をキープしたまま軽量化も実現する。27個の貫通孔は、必要な箇所を見極め、最適な形状で穿たれる。ボルクの高い技術を証明する意匠だ。
スーパーカーをメインターゲットに見据えた21インチでデビューしたが、多くのユーザーからサイズ拡充を求める声もあり、今年遂に20インチをリリース。より多くの車種に履かせることが可能に。
20インチにしたことにより、21インチでは設計上不可能だった、より深いコンケーブが実現。躍動感も増した印象だ。
さらに2021年の新色として、シャイニングブラックメタルを追加設定。「お客様がこんな色を求めているんじゃないかと察知するのが私の役目」と語る、ボルクレーシングのブランドマスター、山口サンが一目惚れしたという超高輝度シルバーは、多重塗装を施して、色々な表情に変化する。
ベースカラーはブラックにして、その上から特殊な溶剤を塗装。さらにその上にハイメタリックシルバーを重ねる。明るい所で見るとシルバーを強く感じてキラキラと輝いて見えるが、光のない場所ではシルバーの下から透けて見える黒が勝り、ダークな色味に。写真では知り尽くせない色は是非実物を見て欲しい。タイヤを付けてクルマに装着し、陰影が加わることでまた新しい顔になる。天気や光の具合によっても変化を見せる、奥の深いシルバーなのだ。
【G025】待望の18インチが遂に誕生。限定カラーも要注目!
ボルクレーシングの「Gシリーズ」は、高い性能は残したまま、新しいデザインに挑戦していくシリーズである。「G」に込められているのは、コーナリングで感じる「G」でもあるが、同時に「グラデュエーション(Graduation=卒業)」の意味もある。若い頃に乗っていたスポーツカーを卒業して、セダンや欧州車などの落ち着いた大人な車種に乗り替えた人でも履けるスタイルがコンセプトだ。
「G025」はブランド最細の美しい足が特長。2×5本のスポークは応力分散的に非常に効率がよく、性能的にも人気の高いデザインである。 コンケーブを描きナットホールまですんなりと伸びるスポークは強烈に脚長感を主張。しかもナットホール横とスポークの付け根部分にはウェイトレスホールまで開けている。
本来であれば負荷のかかるセンター部分に孔を開けるのはかなり難しく、通常なら避けるのが定石だが、ボルクレーシングならではの高い技術によってこれを実現。結果他に類を見ない、ダイナミックな仕上がりとなった。
19インチ、20インチと展開してきたG025。Cセグメントの車輌への装着率が高く、ユーザーからはより気軽に履けるサイズを望む声も多く聞かれた。そこで今回開発したのが18インチモデルだ。もちろん単にサイズダウンしただけでなく、18インチに合わせ、細部を煮詰めめ直したニューモデルである。
色は「GT090」で紹介したシャイニングブラックメタルを通常カラーに追加ラインナップ。また、期間限定カラーとして新たにボルドーレッドクリアを設定。
「通常の色ではつまらない。もっと勝負したカラーはないの? と言う人に向けて。日本には“朱色”や“真紅”など、色々な赤があります。赤すぎるとガキっぽい。小豆色ではカッコ悪い。バランスを見ながら幾度も調色をやり直して、赤、黒、ワインレッドを併せ持った色を作りました。正直結構苦しみました(笑)」
と山口サン。
色付きホイールは若者向け、という固定概念を覆す、大人が選びたくなるカラーリング。
「ワインレッドのメルセデスCロングに付けても凄く攻めた感じになると思うし、赤いキャリパーのついたクルマにポンと付けてももちろん似合う。色んな組み合わせ方が楽しめると思います」。
【TE37SAGA S-plus】クルマの未来を予見して、SAGAはS-plusに進化
ボルクレーシングを代表する「TE37」の正統的後継モデルとして、2016年に登場した「TE37 SAGA(サーガ)」が登場してから約5年。今でも十分に高い性能を誇ってはいるが、更なる先を見据え、マイナーチェンジを行うことを決断。「TE37 SAGA S-plus」へと生まれ変わった。
「次の次まで予見して、予測設計をする。これからクルマは電気ユニットやモーターユニットが搭載され、重量は増えていくでしょう。更に四輪駆動化が伴うことによって重量配分が顕著に変わってくる。であるならば、よりキャパシティを高めたSAGAを、いま作る必要があるんです」。
正面から見える姿に変化はない。あえて意匠は変えないのがこだわりだ。S-PLUSの刻印を見逃してしまったら、変わったことに気付かないだろう。だが、乗ってみたら違いは歴然である。最大のポイントは、スポークの裏面。SAGAとは異なる肉抜き加工を施し、スポークの太さは残したまま、剛性を高めると同時に重量アップを抑えている。難易度が非常に高いこの加工は、実にボルクレーシングらしい手法である。
「解析数値でSAGAから強度が15%アップ、剛性は7%アップしました。重量はサイズによって違うんですが、3〜4%増にとどめています。剛性をあげて歪みをなくすことで、接地面を多く、しっかりタイヤを機能させてあげる。結果、足がちゃんと動いて、乗り心地も良くなるんです」。
ちなみに「SAGA」なる名前。アメリカではヒーロー的意味合いでよく使われるため、国外でも人気が高いボルクレーシングのホイールにピッタリなネーミング。加えて日本では「性(サガ)」は生まれつきの性質を表す言葉。この世に誕生した時から高い性能を与えられた、選ばれしヒーロー。それがSAGAなのである。
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