キャンプデビューで失敗しないテントの条件
キャンプに必用なギアはいくつもあるが、その代表格がテントだろう。しかし数え切れないほどの製品があり、ビギナーは何を買えば良いのか悩んでしまうかもしれない。今回はビギナーがキャンプデビューしやすいシーズンである春〜秋の宿泊を伴うキャンプに用途を限定し、最初に購入すべきテントについて考察してみたい。
「宿泊人数+1人分」がセオリー
日帰りのデイキャンプやビーチでの休憩用とは違い、泊まりとなればテントに求められる条件も必然的に増える。まず決めなければいけないのはサイズ。大抵のテントは2人用や3人用といった人数が明記してあるが、寝るスペースに加えて荷物をテント内に収納することを考え、宿泊する人数+1人分を目安にすれば窮屈な思いをしないで済む。
荷物を最小限に抑えたいバイクや自転車でのソロキャンプなら、多少の狭さはガマンしてもコンパクトなテントを選ぶべきだが、ファミリーやグループで行くのなら快適性を優先させるのがベターだろう。
設営がカンタンな「ドーム型」と「ティピー(ワンポール)型」
続いては形状について。多くのビギナーが気になるのは設営と撤収の容易さだ。ドーム型/ティピー型/トンネル型/ロッジ型とさまざまなタイプがあり、組み立てのカンタンさでいえばドーム型とティピー型がイチ押し。
ドーム型はおそらくキャンプ場でもっとも多く見るタイプで、ポールをアーチ状に曲げて立ち上げるので空間を広く使えるのも魅力だ。また収納すればかなりコンパクトになるので、運ぶ際のスペースが少なくて済むのも嬉しい。
設営の楽さでいえばティピー型も同様。ティピーとはインディアンが使っていた移動用の住居で、円錐状のオシャレなデザインは目立つし写真にもよく映える。組み立ては中央に1本ポールを立てるだけと非常に手軽で、室内高に余裕があり内部で立って着替えることも可能。
ただし中心から外側に向かって低くなるためテント内のレイアウトは、ドーム型ほど自由度がないことも覚えておきたい。なおドーム型にせよティピー型にせよ現地でオロオロしないように、一度は自宅の庭などで試し張りしておいたほうが無難。
耐水圧は1500mm以上を目安に
もうひとつのポイントは耐水性だ。運悪くキャンプしている最中に雨が降り、テントに水が染み込んで寝袋や荷物が濡れたり、カゼを引いてしまったらシャレにならない。そこで注目したいのがフライシートの「耐水圧」で、目安としては1500mm以上あれば大丈夫。それ以下だと強い雨や長時間の雨で水が浸入する可能性がある。
ポリエステル素材が扱いやすい
次は生地の素材について。一般的なキャンプ用のテントはポリエステルが多く、紫外線やカビに強いのが最大のメリットといえる。ただし通気性はあまりよくないので、雨の日は湿気がこもりやすいのが難点。
一方、高級なテントに採用されることの多いコットンは、夏は涼しく冬は暖かく結露しにくいという特性で快適さはダントツだが、水を吸いやすかったりカビやすいといったデメリットもあり、ビギナーにはメンテナンスや価格の面でハードルが高い。
以上のことをまとめると、形状はドーム型かティピー型でサイズは就寝する人数+1人分、素材はポリエステルで予算が許して手入れがキチンとできるならばコットンということになる。
ペグはスチール製がベスト
最後に、テントの選び方とは関係ない話になるが、地面に固定するペグについての注意点をひとつ。テントに付属しているアルミ製でフック型のペグは強度が低く、硬い地面や石が混じっていると曲がりやすく、軽量がゆえに風で抜けやすいのも欠点だ。さほど高額なアイテムじゃないので、頑丈で強く刺さるスチール製などのペグを用意したい。