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「レイヤード」で冬を制す! 「冬キャンプ」の勝敗を分ける服装とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、Photo AC

「冬キャン」でも日中と夜中、サイト到着後の作業で体感温度は変わる事を考慮する

 コロナ禍でブームが加速した感のあるアウトドア。冬になっても勢いはまるで衰えず、キャンプ場は大賑わいだという。とはいえ寒さで風邪などひいては本末転倒だ。冬キャンプを堪能するための服装について考えてみよう。

基本は脱ぎ着しやすい「レイヤード(重ね着)」

 夏とはまた違った魅力がたくさんの冬キャンプ。冷え切った空気のなかで焚き火を囲んだり、熱々のスープやホットワインを楽しむなど、ハマると夏より冬がメインになるという人もいるほどだ。しかし冬のアウトドアで決して避けて通れないのは、いかにして寒さを凌いで身体を守るかということ。カゼを引いたりするのはモチロン一緒に楽しむはずだった家族や友達が、あまりの寒さに「もう二度とキャンプはしない!」となったら本末転倒だろう。

 焚き火やストーブを使うという手もあるけど、基本中の基本となるのは『レイヤリング』と呼ばれる重ね着。このレイヤリングはキャンプに限らず、登山などアウトドアでは常識とされている。イチバン下に着用するベースレイヤーと中間着のミドルレイヤー、もっとも外側となるアウターレイヤーの3つに分類する方法だ。

「ベース・ミドル・アウター」それぞれオススメの素材とは

 まずはベースレイヤーの役目と選び方から説明しよう。ココは吸湿性と速乾性と保温性が大事で、羊毛のひとつである『メリノウール』が定番。身体を動かして汗をかいても吸収しやすく、乾燥するスピードも他の素材より早いうえ、汗の湿気を吸収することで熱を発生させ逃さない。おまけに防臭性に優れ肌触りも滑らかと、ケチの付けようがない素晴らしさで登山を中心に愛用されている。

 ただし高性能だけに唯一のネックとなるのが価格で、初めて冬キャンプする人が買うには度胸が必要なレベル。ただし飲み食いや語らいが主な目的で、極端に汗をかかないのシチュエーションであれば、ヒートテックなどリーズナブルなインナーで代用してもいい。水分を熱に変換する仕組みなので動かなければ発熱しないが、最低気温がギリギリ氷点下になる程度の環境なら、必要にして十分な性能を備えていると思う。

 次のミドルレイヤーは保温性を最優先して選びたい。冬キャンプに適しているのはフリースやインナーダウンジャケットで、フリースは保温性/吸湿性/通気性のバランスがいい。インナーダウンジャケットは高い保温性を実現しつつ、軽く薄手なのでアウターレイヤーと組み合わせやすいのが特徴。また近年はコンパクトながら保温性と撥水性を両立した、化繊インサレーションと呼ばれるウェアが人気となっている。身体が温まればアウターレイヤーを脱ぎ、ミドルレイヤーで行動する機会も多いため、ファッション性に富んだ製品が多く選ぶのも楽しいはず。

 最後のアウターレイヤーに求められるのは、防水性/透湿性/防風性/強度など。保温に関してはベースレイヤーとミドルレイヤーで確保しており、もっとも外側のアウターレイヤーは雨風といった外からの脅威を防ぐのが目的なのだ。素材はアウトドア好きであれば誰もが一度は耳にした、ゴアテックスが定番中の定番で圧倒的な人気を誇っている。面積1平方センチにつき14億個もの微細な孔を持ち、雨や水滴は通さないが水蒸気は通して防水性と透湿性を両立。

 雨だけじゃなく風も防いでくれるため、レインウェアやウインドブレーカーとしても使えるのだ。製品によってはファスナーで開閉するベンチレーターを装備していたり、木の枝などによる擦過傷に強いのもアウトドア向きといえる。レイヤリングの基本や素材の特徴を理解し、冬キャンプの魅力を全身で味わおう!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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