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恐怖の「逆走車」との遭遇は避けられない! 万が一のときに身を守る手段とは?

誰もが遭遇する可能性のある「逆走事故」

 道路を走行していて、ドライバーの想定外の事態が起こるとパニックに陥ってしまうことがある。そのひとつの事例が逆走に遭遇したケースだろう。特に高速道路での逆走に合うと誰もが驚き、一瞬は何が起こったのかが判断できなくなるだろう。万が一の状況に遭遇するかもしれないと考え、対処法やリスクを軽減する対策などを確認しておきたい。

「逆走」に対する心構えをしておく

 逆走が恐ろしいのは、自車と逆走車が向かい合う状態で走行しているため、相対速度は両車両が走行している速度を加えたものになる点。つまり自車と逆走車がお互いに100km/hで走行していると仮定すると相対速度は200km/hとなり、遙か彼方に逆走車両を確認しても一瞬で目の前まで迫って来るということだ。そのためトラブルを避けるためには、普段の走行時以上に素早く正確な対処が必要になる。

 そんな逆走による事故を未然に防ぐために、準備できることを考えてみたい。まず早めに交通状況の異常を察知するには予測運転が大切になる。普段からもしものケースを考えて運転するという意識がそのひとつだ。「まさか高速道路を逆走してこないだろう」というのが普通の考え方だが、「逆走車が来るかもしれない」と頭の片隅に置いて運転していれば、万が一の際にも慌てずに対処できる可能性が高まるだろう。

「逆走」が起きやすい場所や特徴

 では、高速道路での逆走とはどんな場所で起きやすいのだろう? 過去の事例からたどっていくと、高速道路(自動車専用道路含む)の逆走の多くはインターチェンジやジャンクションで発生している(逆走が原因で起きた事故の約6割はここで起こっている)。

 高速道路の出口から進入したケースや、SA/PAの入口側から本線側に出てしまったケース、さらには本来降りるべきインターチェンジを間違えてしまい料金所などでUターンしてしまうケースなどが想定される。いずれにしてもインターチェンジやジャンクション付近は逆走の発生が考えられる要注意エリアだと認識しておいた方が良さそうだ。

 このような高速道路の逆走を起こしてしまうドライバーの多くは高齢者だ。過去の統計によると、逆走してしまったドライバーの約7割が65歳以上の高齢者だという数字も残されている。さらに認知症や飲酒によるケースも報告されている。また逆走の約6割が昼間に発生していることにも注目したい。「逆走はいつ何時起きてもおかしくない」と考えておくことが大切となる。

逆走車に遭遇した時の対処法

 では逆走に遭遇してしまった場合にはどうすれば良いのだろうか。先にも紹介したとおり自車と逆走車は相対速度が非常に高くなるので、もし逆走車を見付けたらいち早く対処することが必用だ。逆走車を発見した場合は前後の安全を確かめた上で、すぐに速度を落とし、通行帯のもっとも左側車線を走る。さらにケースによっては路肩に停車するなどの安全処置を行なうことも想定しておくと良いだろう。

 相対速度は思った以上に速いため、ハンドル操作だけで避けることは非常に難しいと考え、まずは自車の速度を落とすことを考える。逆走車は自分が走行車線(逆走者から見ると左車線)を走っていると勘違いすることも多く、通常走行しているドライバー側から見て追い越し車線を逆走してくる傾向がある。これも頭の片隅に入れておくと対処が違ってくるだろう。

 さらに、逆走車を発見したときに同乗者がいるならば、携帯電話ですぐに110番通報しよう。ドライバーが単独走行であれば最寄りのSA/PAでクルマを停止させ、非常電話などを使って通報する。また料金所が近ければ料金所スタッフに逆走車があったことを伝えよう。いち早く逆走の情報を知らせることで高速道路上のさまざまな情報として発信するため被害を最小限で食い止めることができるので重要だ。

逆走車と事故したときの過失割合は?

 ところで、逆走車と不幸にも接触するなどして事故を起こしてしまった場合の保険はどうなるのだろう? 高速道路は一方通行なので逆走してきたクルマに100%の過失があり基本的に過失割合は10対0となる。ただし事故回避措置を怠るなど、自身側に過失が認められる場合には部分的な過失を問われることもある。予測運転を実践し、改めて安全運転を心がけるようにしたい。

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