ナイフは高くても「品質」がすべて！　アウトドアで違いをみせる７本の名刃

投稿日：2021.02.15

TEXT: 猪狩清十郎 PHOTO: 猪狩清十郎,トヨクニ,Leatherman Tool Japan,ビクトリノックス,Uneplage International,WTD Survival

タフな使用に耐えるナイフこそ信頼できるパートナー

　キャンプやブッシュクラフトなどアウトドアシーンで欠かせないナイフ。あえてサバイバルに近い野遊びを好む人も増えているようで、動画サイトはブッシュクラフト花盛りです。某国製の格安なナイフも通販サイトで増殖していますが、品質にはイマイチ不安が残ります。歴史や実績のあるブランドは価格は少しお高いですが、長い時間をかけて培われたユーザーからの信頼には定評があります。そんなタフな使用に耐え、ハードなシーンでも信頼できる高品質なナイフを探してみました。

　一般的にナイフはその使用目的に応じて道具として適切なものを選ぶのが基本です。例えば、切れ味が良いからといって炭素鋼のナイフを海釣りで使えば塩分ですぐに錆びてしまいます。持ち運びに優れたフォールディングナイフでバトニングすればピボットやロックを破損するのは目に見えています。基本的にすべてをこなすナイフは存在しないと言っていいでしょう。食材のカットは刃厚の薄いペティナイフにかないませんし、薪の小割りには鉈が最適なのはいうまでもありません。

　それでも、できるだけ広範な用途への対応を目指したのがサバイバルナイフと呼ばれる一群です。この1本のナイフで薪を作り、火を熾して暖を取り、食事を摂る。命を永らえて生存する確率を高めるビバークを可能にします。ナイフの好みは人それぞれではありますが、おすすめのナイフを並べてみました。

■トヨクニ　土佐アウトドア剣鉈

　高知の和式打刃物の老舗「トヨクニ」は斧や鉈、各種和包丁など刃物の専業メーカーです。土佐アウトドア剣鉈は鉈と狩猟ナイフを両立させた同社の定番モデルでロシアナイフショー2年連続大賞を受賞（殿堂入り）。獲物の解体からバトニング（ナイフで薪を割ること）、料理まで使用範囲が広く、ブレードとフィンガーガードの鋼材を選択することもできます。

◆全長:265mm　刃長:120mm　刃厚:4mm　重量:220g　ブレード素材:カーボンスチール(日立青紙2号、青二DM15、青紙SUPER) 両刃グリップ材:樫　木鞘付き　日本製　価格:1万6000円〜

■トヨクニ　アウトドアナイフ　独遊

　トヨクニオリジナル白鋼一体構造のフルタングナイフ「独遊」。フルタングナイフというのは刃を作っている地の金属素材が手で握る柄の最後まで届いているものです。こちらはアウトドア雑誌「BE-PAL（小学館発行）」とのコラボ企画で誕生したモデルです。剥き出しのハンドルにパラコードを巻いたタフネス仕様でとにかくワイルドな風貌。バトニング等のハードな使用でもグリップ材が破損する心配は皆無。パラコードは4種から選択可。

◆全長:245mm 刃長115mm 刃厚4.5mm、重量:180g（本体）ブレード:カーボンスチール（土佐オリジナル白鋼）　両刃　牛革ケース付　日本製　価格:1万3900円〜

■Morakniv Garberg／モーラナイフガーバーグレザーシース

　17世紀から刃物作りで名を馳せたスウェーデン・モーラ地方の伝統技法を受け継ぐモーラナイフ。王室御用達の優れたナイフは世界中から信頼されているほかリーズナブルな価格も魅力です。ガーバーグはグリップエンドまで鋼材が貫く一体構造のフルタングで頑丈に製作されています。鋼材はステンレスのほかカーボンスチールもあります。またシンプルなレザーシース（革製のさや）のほかナイフを身に着ける場所をいろいろ自分で選べるマルチマウントも選択できます。