多方面で信頼を得る技術屋集団「YAMAHA」
ヤマハ発動機は、静岡県磐田市に本社を置く世界第2位のオートバイメーカーだ。そんな事業規模にもかかわらず、現在四輪は手掛けてはおらず、完全にオートバイが主軸の企業である。主軸? と思うかもしれないが、国内の他の二輪メーカーを見ればわかるとおり、ホンダもスズキもカワサキもオートバイは主力事業ではない。珍しい二輪専業メーカーのひとつだ。
「ヤマハ」と「ヤマハ発動機」の違い
そんな二輪専業メーカーだが、じつはなかなか変わった事業も展開していることをご存知だろうか。よく知られている二輪車やスクーター以外にも船外機やボート、ヨット、さらにマリンジェット、スノーモービル、レーシングカートにゴルフカートなどを手がけている。さらには産業ロボットに無人ヘリコプターに発電機、さらにさらにFRP製のプールもウォータースライダーも作っていたりするのだ。
もうひとつ、よく知られているのは電動アシスト自転車だ。1993年に発売を開始した「PAS」シリーズは走り出しや登り坂といったところで漕ぐ力をアシストしてくれる世界初の電動アシスト自転車で、極めて自然なアシスト感が特徴。最新モデルでは「トリプルセンサーシステム(自車速度・踏力・回転速度)」や「スマートパワーアシスト」といったさらなる自然で力強いアシストを実現している。そのラインナップはシティタイプ、ミニベロタイプ、スポーツタイプ、子供乗せタイプなどさまざまだ。また、このアシスト技術から発展した電動車いすなどもラインナップしている。
ピアノやドラムは? と思うかもしれないが、楽器の「ヤマハ(1987年までは日本楽器製造)」とは別会社。もともとは両社とも同じ会社だったが、オートバイ製造からその後派生した「ヤマハ発動機」と、その後も楽器製造を続けた「ヤマハ」と分けられる。両社とも、振動数で調律などに使われるU字型の音叉を3つ組み合わせた音叉マークを使用するが、そのロゴマークも微妙に異なっており、音叉の取っ手部分が外円にはみ出しているのがヤマハ発動機のもので、「YAMAHA」の「M」の文字も中央の谷下部に延びた文字が下についている等の違いがある。