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オートバイが主だが四輪への貢献は多大! F1エンジンまで作り上げた「ヤマハ」の強烈な技術力

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: ヤマハ発動機

四輪業界でも無くてはならない存在

 1955年のYA-1からオートバイをメインに製造してきたメーカーだが、四輪の事業には参入していない。しかし、クルマを作っていないわけではない。実際には販売されることはなかったものの、1959年にはYX30という1600ccの2人乗りスポーツカーを独自に開発するなど、四輪車への研究は常に続けられてきた。

ヤマハで作られる「トヨタ2000GT」 そして誰もが知るところとなるのが、ヤマハ発動機とトヨタ自動車が共同で開発した「トヨタ2000GT」である。単にエンジンを供給するのではなく、エンジンを開発し、それを自動車メーカーに提案し、さらには自ら責任をもって生産する、というヤマハは生産台数わずか337台のこの2000GTのために磐田市に新工場を設立し、その開発と生産を請け負ったのである。

トヨタ2000GTのためだけに磐田市に新工場を設立したヤマハ発動機 それ以後ヤマハはトヨタのスポーティエンジンの多くを手掛けるようになっていく。クラウン、マークII、マークX、ソアラ、アルテッツァ、セリカ、コロナ、カリーナ・カローラ・スプリンターといった車種に搭載された高性能エンジンはヤマハ製であった。

トヨタのスポーティエンジンの多くを手掛けてきたヤマハ発動機 トヨタだけではなくレクサスブランドでも同様にエンジンの供給を続けている。なかでも2010年に500台限定で発売されたレクサスLFAに搭載された4.8LV型10気筒エンジンは、新たに専用のクリーンルームが設えられ、エキスパートと呼ばれる熟練スタッフの手によって1基1基組み立てられた。ちなみにこの専用工房は、かつてヤマハがF1エンジンを製作していたその場所であった。

レクサスLFAに搭載された4.8LV型10気筒エンジン もちろんトヨタ以外にも、1985年からはフォードとエンジンの開発・供給契約を結びト-ラスやピューマなどにもエンジンを供給し、その流れで2004年からはボルボのV8エンジンも手掛けるようになった。2004年からはボルボのV8エンジンも手掛けるようになった

 エンジン提供に限らず、シャシー関連パーツの供給も行なっている。独自の相互連携ショックアブソーバーシステム「REAS/X-REAS」、さらにそれを進化させた「ExTRAS」を開発。これは80スープラやハイラックスサーフ、クラウンアスリートVX。さらにアウディRS6、RS4などに搭載された。また、近年では、車両のノイズや振動を吸収する車体制振ダンパー「パフォーマンスダンパー」の純正採用も増えている。

車両のノイズや振動を吸収する車体制振ダンパー「パフォーマンスダンパー」

 四輪への参入を表明し、近年の東京モーターショーでは四輪車のコンセプトモデルを積極的に展示してきたものの、その計画は現在凍結中で、しばらくはヤマハの四輪車が登場するということはなさそうだ。しかしいつの日か、音叉マークを付けた4輪車が街中を走りまわる日が来ることを期待したい。近年の東京モーターショーでは四輪車のコンセプトモデルを積極的に展示するヤマハ発動機

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